北朝鮮、外貨獲得のために今度は保険詐欺?
米フォックス・ニュース「架空の事故で巨額の保険金を請求」
北朝鮮が違法な武器や麻薬の取引、ドル紙幣の偽造といった既存の「外貨獲得」手段にとどまらず、国際的な再保険制度を悪用して保険金詐欺を行っている疑いがあると米国のフォックス・ニュースが4日報道した。実際に生じた損害を誇張したり、事故をでっち上げる手口で、数百万‐数千万ドルに及ぶ巨額の保険金をだまし取っているという。
最初に紹介されたのは、2005年7月に北朝鮮の救助ヘリ1機が北朝鮮政府の所有する倉庫に墜落したとされる事故だ。当時倉庫に山積みされていた数十万点の救援物資を完全に損失したという。
北朝鮮の保険会社は倉庫にあった救援物資の全目録を10日で作成し、英国の再保険会社に保険金を請求した。請求書には数万点に及ぶ子ども用手袋・ハンカチ・革製の手袋・せっけんなどの物品を詳細に記録した目録と証拠写真が添えられていた。請求額は4000万ユーロ(約61億2000万円)に及んだ。フォックス・ニュースは同規模の事故が英国で発生した場合、損失規模の把握に数カ月はかかるとし、疑惑を提起した。
次にフォックス・ニュースは、今年4月に北朝鮮の元山沿岸で旅客船が沈没し、乗客129人が死亡したというケースを取り上げた。当時、北朝鮮側は旅客船の乗客は切符を買う際に自動的に生命保険に加入することになっていると主張し、英国の再保険会社に500万ユーロ(約7億6500万円)の保険金を請求した。北朝鮮側によると乗客のほとんどは冷たい海水の中で体温低下により死亡したという。
しかしフォックス・ニュースは、事故現場の実地検証を行いたいという再保険会社側の要求を北朝鮮が拒否したとしている。
フォックス・ニュースによると、北朝鮮の保険会社は政府が運営する朝鮮民族保険総会社(KNIC)の1社しかない。また同社は完全な北朝鮮政府の統制下にある。同保険会社は諸外国の保険会社と同じく、大事故による損害に備えて国際的な保険会社と再保険契約を結んでいる。そして「大規模な事故」が発生するたびに、短期間で完ぺきな資料と証拠を提出し、巨額の再保険金を請求しているという。
英国の大手保険会社の代表を務めるある弁護士は「北朝鮮のケースのように保険請求の全過程に政府が介入する例はほかには聞いたことがない」と語った。同弁護士はまた「例えば死亡証明書や病院記録を要請すると、北朝鮮政府は『必要なものは何でも政府が提供する』という態度で対応している」と語った。
今のところ北朝鮮当局の「保険金詐欺」はまだ疑惑の段階にとどまっている。しかしフォックス・ニュースは北朝鮮による巨額の保険金請求が頻発し始めた時期が、昨年米国が北朝鮮に対する金融制裁を開始した時点に重なるとしている。またこれまでに請求された保険金の総額は1億5000万ドル(約172億円)以上に達するという。
許容範(ホ・ヨンボム)記者
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