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【コラム】日本の地方に行って分かること(下)

 天城峠に行く道でも気分を害した。立派なブナ林に放置された「どでかい」コンクリート製休憩室のせいだ。ガラスは割れ、コンクリートの壁には真っ黒なカビが生えていた。廃虚と化したこうした大型の建造物は、伊豆半島を通る国道12号線だけで3‐4カ所は見た気がする。先日、東京近郊の大山に登った後に訪れた温泉施設2カ所も廃虚と化しており、慌てて東京にとんぼ返りしたことがある。赤字続きでどうしようもなかったようだ。

 10年前、日本を訪れる外国人たちは「田舍へ行けば日本の真の姿が見られる」と言った。「都会も地方も等しく豊かな先進国」の姿があると語っていた。しかし、それは国の借金800兆円が作り出した「幻」だったということを知る人は少ない。税金で作られた無駄な施設は訪れる人がなく、一つ、また一つと廃虚となった。それとともに地方の人々の気持ちもささくれ立ってきたようだ。今、こうした日本の地方の現状を目にするのは、もぬけの殻となったラブホテルが放置されたままの韓国の地方の現状を見るとの同じくらい哀れで寂しい。

 最近の日本の若者は伊豆半島を訪れない。レジャー文化にどっぷりと漬かっているせいなのか。スキー場・ゴルフ場ならいざ知らずとも、今はそういったところでも多くはない。日本は長期不況による若者層の失業問題がついこの間まで韓国と同じくらい深刻だった。お金がないから若者も都会を離れられないのだ。日本の地方の失敗は、若者の新たな需要を呼び起こせなかったことにも原因がある。新しい施設は作っても、新たな人を呼べなかったのだ。

 今、韓国でもあちこちに「幻」を作っているのかもしれない。田舍に新たな施設や道を作ることをとがめることはできない。しかし道を通りやって来る新たな人を招くことができなければ、すべてが無駄になる。今、韓国政府のしていることは、10年前の日本政府がしていたことと同じだ。10年後、誰も責任を取らないのも、日本とまったく同じだろう。

東京=鮮于鉦(ソンウ・ジョン)特派員

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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