韓米FTA:韓国側に通訳がいなかったワケ
韓米自由貿易協定(FTA)第8回交渉が開かれたソウル・ハイアットホテル。交渉最終日の12日、A分科会議場には冷めた空気が流れていた。数カ月間続いた争点の妥結を目の前にした状態で、米国側が突如但書条項の挿入を要求し、これに韓国側交渉代表(分科長)が「これ以上の交渉はできない」と反発、書類を投げ捨てたのだ。結局、この争点は米国が1歩退くことで合意に至ったという。
9カ月間にわたり韓国と米国を行き来しながら進められたFTA交渉。その会議場の中ではどのようなことが繰り広げられたのだろうか。韓国側交渉参加者らの話を通じ、これまでベールに包まれていた裏話を紹介する。
◆席をけって立ち上がることも
威厳ある外交交渉の席ではあるが、礼儀を守ってばかりいるわけにはいかない。時には席をけって立ち上がることもあり、相手を興奮させるため意図的に刺激的な表現を使うこともある。サービス分科で韓国側が「米国通信産業の外国人持ち分制限緩和」を要求した際には、米国側から「お前たちにそんな金はないじゃないか」と侮辱的な答えで応酬されたこともあったという。
韓国側のB分科長は「交渉で互いに神経戦を繰り広げていると、顔を真っ赤にして議論することもたびたびある。“トイレに行く”と言って席を立ち、30分から40分戻らないことも数え切れないほどあった」と語った。
◆爆弾酒で相互の信頼作り
全19分野の交渉責任者(分科長)らは会議場の外で会い、酒食をともにする。C分科長は「米国側交渉団とホテルで一緒に爆弾酒を飲んだこともある」と話した。
◆交渉は英語が基本
韓国側分科長らは、大部分が米国の大学で修士・博士学位を取得しており、英語を流ちょうに操ることができる。そのため、交渉は分科長が直接英語で話す形式で進められ、通訳を使うのは非常に専門的な分野を扱う際や、交渉出席者らの正確な理解が必要な際に限られた。
交渉を英語で行うことにした理由について、D分科長は「今回は通訳の使用をわざと避けた。それは、以前合意した内容を白紙に戻す際、“(韓国側の)英語の実力が足りず、前回の(米国側の)意見を間違って伝えた”と言い張ることができるため」と笑いながら語った。
洪源祥(ホン・ウォンサン)記者
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