【コラム】韓国には「人間教育」が欠けている(上)
国際通貨基金(IMF)や国際復興開発銀行(IBRD)といった国際機関が、韓国経済が発達した要因として旺盛な教育熱を指摘するほど、韓国の保護者たちは国内にいようと、海外にいようと、子どもの教育にすべてを賭けるような姿勢で臨む。そこに共通しているのは、「自分たちは満足に教育を受けられず、その結果裕福になることができなかったが、お前たちはしっかり勉強して、その恨みを晴らしてほしい」という思いだ。しかしわれわれが身の回りで目にするのは、必ずしもそうした姿勢が実を結んだケースばかりではない。
移民者たちの多くは、子どもたちを米国の学校に通わせさえすれば、すべてが解決すると考えていた。労働者として移民した彼らのほとんどは、英語を満足に話せなかったため、子どもの教師に会って話をすることもはばかられた。意思疎通できたとしても、移民の身分では生活に追われ、PTAなどの活動に参加する余裕がなかった。子どもたちは親と一緒にいられる時間が少なく、自然と家庭の外で過ごすことが多かった。また彼らは通常低所得者の集まる地域に住んでいたため、学校にも不良生徒が少なくなく、教育環境は決してよいとは言えなかった。
もちろんすべてがそうだ言わないが、移民者の子どもたちの中には、こうして周囲から適切な刺激を得ることができず、人生に大きな意味を見いだすこともなく、共同体意識が欠如したまま、社会の陰の部分に引き寄せられる例も少なくなかった。結局、子どもの教育のことを思って移民したにもかかわらず、子どもをだめにしてしまう結果となるケースも多かった。
バージニア工科大で32人を殺害した銃乱射事件の容疑者チョ・スンヒのケースも、個人的な精神障害が原因ではあったとされるものの、広い意味では移民労働者の子どもたちがたどってきた負のコースの果ての極端な例だと見ることができる。チョ容疑者が仰ぎ見ていた「世の中」とは、せいぜいベンツやウオツカにコニャック、ダイヤモンドが象徴するものだった。世の中には大学に行けない人のほうが多いという認識も、チョ容疑者にはなかったのかもしれない。それこそが彼の受けてきた人間教育の限界であり、その限界が持つ負の部分が結局、こうした事件となって噴出したといえる。
ここにわれわれは貧富の差がもたらす冷酷な現実を見る。国内の韓国人がアメリカンドリームを実現した在米韓国人の1.5世や2世を誇らしく思うその瞬間にも、米国社会の底辺には、それとは正反対の在米韓国人が存在している。
金大中(キム・デジュン)顧問
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