【社説】米国は自国の銀行を通じてBDA問題を解決すべきだ
韓国政府がマカオの中国系銀行バンコ・デルタ・アジア(BDA)に凍結されていた北朝鮮の資金2500万ドル(約30億円)について、韓国輸出入銀行を通じて第3国に送金する案を検討していることが7日、確認された。
この北朝鮮資金はもともと、ドル紙幣偽造、兵器密輸、麻薬取引、偽タバコの製造などを通じて得た可能性が米国によって指摘されてきたものだ。米国がBDAに対して制裁措置を発動したのも、資金洗浄などの違法行為を放置してきたことを重く見たからだ。世界中のどの銀行もこの資金を取り扱おうとしないのは、そうした理由があるからだ。
韓国輸出入銀行が違法性の強く疑われる北朝鮮の資金を取り扱うことになれば、世界の金融関係者から「韓国輸出入銀行は、政府の圧力によって何でも受け入れかねない金融機関」というレッテルを貼られることだろう。こうした評価が下されれば、政治的独立を重んじる国際金融市場では致命傷となりかねず、国際的な格付け機関による信用格付けが引き下げられる可能性もある。また海外での債券発行に支障を来す恐れもある。マネーロンダリング(資金洗浄)防止法に違反しているとの指摘も避けられない。
このように北朝鮮資金の受け入れは、多くの点で危険性を伴うものだ。だからこそ韓国外換銀行は、米国がBDAを「資金洗浄に関与した疑いの強い金融機関」に指定した直後に、BDAとの取引を中断した。また世界のほとんどの銀行は、北朝鮮との金融取引の可能性がある中国やロシアの銀行に対し、監視を強化している。2005年には北朝鮮が開城工業団地に韓国のウリ銀行の支店を開設するよう要請したが、ウリ銀行はこれを拒否した。
韓国政府がこのような厄介な案件を輸出入銀行に押しつけようとしているのは、北朝鮮がBDA問題の解決なしには6カ国協議での合意を履行しないと強弁しているためだ。しかし同問題は米国の下した制裁によって始まったものであり、その収拾も本来米国が行うべきものだ。北朝鮮もここで韓国の輸出入銀行が一枚かむことを歓迎しないだろう。北朝鮮が望んでいるのは、今回の1度きりの送金ではなく、今後の恒常的な取引の再開だ。
世界中のどの銀行も、海外へドルを送金するためには、米ニューヨークの銀行に口座を持ち、それを経由して処理する必要がある。そしてその過程では米国財務省の統制を受ける。BDA問題を取り巻く状況を考えると、米国はこの厄介な問題を他国や他国の銀行に押しつけるのではなく、潔く自国の銀行に取り扱わせて処理するべきだ。
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