液晶テレビ:価格破壊止まらない「家電王国」日本
家電量販店「ビックカメラ」東京・有楽町店。テレビの値札には対角線が引かれ、値引きするという意味で「価格のご相談承ります」と書かれていた。
店員に「なぜ新しい値札を付けないのか」と聞いてみた。すると、「ほかの量販店との価格競争のため、日々価格が変わるので」という答えが返ってきた。午前と午後で価格が変わることもあるという。そのたびに値札を付け替えることはできないというわけだ。
この売り場に陳列されていた32型の東芝「REGZA(レグザ)」液晶ディスプレー(LCD)テレビの価格は10万6533円、ソニー「BRAVIA (ブラビア)」LCDテレビは12万4200円だった。店員は「昨年秋に20万円で発売された商品が、今は10万円で売られている」と語った。
「家電王国」日本の流通市場の製品価格は、直ちに世界の家電市場に影響を及ぼす。1990年代、世界の家電市場の価格破壊を先導したのも東京の量販店だった。ここでいずれも平面テレビであるLCDとプラズマディスプレー(PDP)のテレビの価格が下がり続け、世界の家電市場や業界に連鎖的に影響を与えているのだ。
最近日本経済新聞が行った調査によると、日本で最も売れているシャープのLCDテレビ「AQUOS(アクオス)」32インチの昨年秋のモデルは11万円まで下がったという。発売当時のちょうど半額だ。PDPテレビ市場を席巻したパナソニックの「VIERA(ビエラ)」37インチも20万円以下に下がった。 32インチの普及型LCDの場合、インチ当たり3000円水準に急激に下がっている。インチ当たり1万円以下に下がり、家電メーカーが悲鳴を上げたのは 2005年初めのことだ。
価格の下落とともに、日本のテレビ市場は1960年代の白黒テレビからカラーテレビへの交代期を思わせる超好況を迎えている。分厚い「ブラウン管」からデジタル高画質のLCDやPDPにテレビを買い替える人が爆発的に増えているからだ。今年に入り、日本の平面テレビ市場は昨年同期比で50%以上の売り上げ増となった。
しかし、業界は「弱肉強食」のジャングルの世界へと向かっている。需要より供給が多いため、価格急落に耐えられる強者だけが生き残る構図になりつつあるというわけだ。
特にPDPテレビ市場では、松下電器(パナソニック「ビエラ」ブランド)の独走状態になっている。松下は最近、兵庫県に建設中のテレビ工場を予定より1カ月早い6月から稼動させることにした。テレビの販売台数を昨年の350万台から今年は600万台に大幅に増やし、市場を席巻するというわけだ。
松下は昨年度(日本の会計年度=2006年4月―07年3月)2171億円の純利益を記録した。前年に比べ41%増えている。販売価格が下落する中で松下が大きな利益を得ることができたのは、販売台数が80%増えたからだ。典型的な「規模の経済」といえるだろう。
一方、韓国のPDPメーカーは非常に難しい状況に陥っている。PDPパネル(テレビの映像を映す核心部品)を生産するサムスンSDIは1―3月期に 1100億ウォン(約143億円)を超える赤字、LG電子もPDPパネルとテレビを扱うデジタルディスプレー事業部門が1―3月期に1943億ウォン(約 253億円)の営業赤字を記録した。
東京=鮮于鉦(ソンウ・ジョン)特派員
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