【萬物相】「アイム・ソーリー」
米国は、気軽に謝ることのできない国だ。実際に謝罪もしくは同情の意味で「アイム・ソーリー」と発言したがために、法廷で自分の過失を認めた証拠として扱われるケースも少なくない。そのため家庭では幼いころから「めったなことで謝るな」と教え込まれる。現に韓国人が米国で初めて運転する場合、「交通事故が起きても、『アイム・ソーリー』と口にしてはならない」と忠告されることが多い。不本意にこの言葉を口にしたがゆえに、事故の全責任を負わされる羽目になることも少なくないからだ。
だが最近米国では「申し訳ないという言葉を自由に使える雰囲気」を望む声が少なくない。すぐに謝罪することで、不和や摩擦が解消されやすくなるという研究結果もある。1994年に医療ミスによる訴訟を起こした人のうち、37%は「十分な説明と謝罪があったなら、法廷で争うことにはならなかったはずだ」とした。2002年にミシガン州の保健当局は医師らに対し「過失を犯した場合、すぐに患者と家族に謝罪するように」との指針を示した。これにより訴訟の件数が前の年の262件から130件にまで減少したという。こうした中、謝罪を責任認定の証拠とみなさないよう求める州も増えてきている。
ところで今月初め、米国のデューク大学の経営大学院が不正行為を理由に懲戒処分を下した34人の学生のうち、もっとも重い退学処分を受けた9人はすべてアジア系の学生だった。そして、そのほとんどは米国にやってきて1年もたたない留学生たちだった。この学生たちの弁護人は「大学側の措置は特にアジア系の学生に対し厳し過ぎる。アジアでは謝罪の意味で罪を認めるが、大学側がこうした文化的な違いを認定しなかった」と主張した。
米国で学ぶ留学生のうち、韓国出身者の数は国別の第1位となる8万7000人に上る。韓国では教師に叱られると、生徒は反省の意味を込めてうなだれるが、米国ではこれは反抗の意味に受けとめられる。韓国には「謝罪している者に最後までつらく当たる者はいない」という意味のことわざもある。退学処分を受けた学生らの中には「過ちを悔いて、許しを請えば、許してもらえるだろう」と考えた者もいたはずだ。こうした文化の壁は、時として言葉の壁よりも、さらに大きく立ちはだかるものだ。
姜仁仙(カン・インソン)論説委員
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