ハナ銀行、「韓国版マイクロクレジット」事業に着手へ(上)
7年間にわたり、2人の子どもを1人で育ててきたキム・ヨンヒさん(38)=仮名=は、インテリア・ショップを開くのが長年の夢だった。だが、債務返済能力が低いため、開業に必要な5000万ウォン(約669万円)の資金を調達できなかった。キムさんは「扱おうとしているインテリア小物に対する周囲の評判も上々で、店を開く場所として目をつけた場所も立地条件が良く、十分な収益を見込めるが、ただ資金が問題だ」と言ってため息をついた。
キムさんのように、低所得層で債務返済能力も低い人たちが、生計を立てていくために事業を起こすのを支援する金融サービスが、早ければ8月に登場する。これは「韓国型マイクロクレジット」と呼ばれるもので、規則の厳しい一般の金融機関から創業資金を調達できない低所得層に対し、クレジットカードの形で資金を融資するというものだ。ハナ銀行は9日、市民団体「希望製作所」(常任理事:朴元淳〈パク・ウォンスン〉弁護士)と共同で、「韓国型マイクロクレジット」事業に着手することを発表し、この事業に300億ウォン(約40億1564万円)を寄付することを決めた。
◆どんな運営方法なのか?
ハナ銀行と「希望製作所」の共同事業という形式で運営される「韓国型マイクロクレジット」事業。ハナ銀行は8月中に「ハナ希望財団」を設立し、300億ウォンを出資して「ハナ希望ファンド」のサービスを始めるとしている。一方、希望製作所は融資審査や経営コンサルティングを担当する「小企業発電所」を設立する。
融資を希望する人はまず「小企業発電所」に創業資金の融資を申し込む。その後「小企業発電所」は事業のアイデアや、財務状況から考えて妥当かどうかなどを審査し、融資の可否を決める。融資が決まれば、「ハナ希望ファンド」から資金を融資されると同時に、「小企業発電所」による経営コンサルティングも受けられる。1人当たりの融資金額は5000万ウォン(約669万円)から3億ウォン(約4016万円)で、金利は年4%以内(変動金利)になる見通しだ。事業の安定を図るため、返済期間は前もって定めず、状況に応じて柔軟に運営される。
希望製作所の朴元淳常任理事は「融資審査においては、社会奉仕的な企業や農業、小企業などを中心に、社会に良い影響を及ぼすかどうか、事業のアイデアに実現性があるかどうかなどを審査するが、あまり厳しい制限は設けないつもりだ」と話している。
◆「韓国型モデル」のテストケース
ハナ銀行が進める今回の事業モデルは、創業資金として支援する額が「5000万ウォン以上」であるという点で、一部の市民団体などが試験的に行っている「創業資金支援」とは異なる。また債務返済能力の低い低所得層を対象とした「無担保低金利融資」である点で、銀行の自営業者を対象とした融資とも違うものだ。
ハナ金融グループ(持株会社)の尹喬重(ユン・ギョジュン)社長は「今回の事業は銀行の社会貢献活動の一環だ。債務返済能力が低く、銀行の自営業者向け融資を利用できない人々に対し事業を起こすための資金を支援するという点で、既存のマイクロクレジットや自営業者向け融資とは次元の違うものだ」と強調した。
実際、市民団体がバングラデシュのグラミン銀行のケースを参考に、2000年から「シンナヌン(「楽しい」の意)組合」、「社会連帯銀行」、「美しい世界基金」などのマイクロクレジットを創設・運営してきたが、これらの1人当たりの融資金額は300万ウォン(約40万円)から1500万ウォン(約201万円)程度で、小規模な小売店を開くのにも数千万ウォンの資金を要する韓国の現実を考えれば、いくらも役に立たないという指摘が出ていた。
チョン・チョルファン記者
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