【社説】壮大な金のムダ、行政中心複合都市
盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領は20日、忠清南道燕岐郡で開かれた行政中心複合都市「世宗特別自治市」の起工式で「大統領府と政府部処(省庁にあたる)、国会を丸ごと移すのが不可能となり、行政首都の予定が行政中心複合都市に縮小してしまったのは何とも不合理で、残念なこと」と語った。憲法裁判所が2004年10月に首都移転に違憲決定を下したことで、大統領府と国会を行政中心都市に移すことが不可能となり、当初考えていた遷都計画が意向通りに進まなかったことが不満なのだろう。
政府の行政首都案は当初、245の政府行政機関のほとんどを新首都に移転するとしていた。だが憲法裁判所から違憲決定が下されたことで、49の政府部処のみを移転する行政中心複合都市計画に変更せざるを得なくなった。大統領は起工式に際し、もはや4年も前のことになった憲法裁判所の決定にあらためて不満を表明したのだ。
現在、イギリスやフランス、ドイツなど、ほぼすべての経済協力開発機構(OECD)加盟国、そして中国や日本、シンガポールといった北東アジアの国々は、自国の首都や大都市の競争力を向上させる方向で努力している。今ソウルのライバルは釜山や大邱、仁川ではなく、上海や重慶などの中国の大都市や、東京や大阪といった日本の大都市なのだ。2005年末に発表された資料によると、アジアで展開する多国籍企業のうち1167社が香港、350社がシンガポールにアジア本部を設けている。だがソウルの場合、その数は11社に過ぎない。ソウルが競争力の面でそれだけ両都市に劣っていると見るべきだろう。しかし盧武鉉大統領は依然として「首都圏を間引きしないと競争力は向上しない」などといった持論に固執している。
行政中心複合都市の建設には総額45兆6000億ウォン(約6兆円)もの費用がかかるとされる。政府は、広域交通網や庁舎の建設などのインフラ整備に必要な額はこのうちの8兆5000億ウォン(約1兆1300億円)に過ぎないとしていたが、最近になって土地整備などにさらに8兆ウォン(約1兆円)をあてると発表した。そのため現時点で予想されているだけで、54兆ウォン(約7兆1500億円)近い金額が、何もない平原に新都市を作るためにつぎ込まれることになる。
54兆ウォンと言えば、京釜高速道路を3つ作れるほどの額だ。大学なら浦項工科大規模の大学を67校設立できる。浦項工科大には1987年の設立からこれまでに計8000億ウォン(約1060億円)が投資されたが、同校は今や世界的な大学の一員となっている。政府は行政中心複合都市の起工式に際し、54兆ウォンという金額の重みに思いをはせるべきだった。政府はこうした事業よりも、全国を緊密に結ぶ高速交通網の整備や、国際化時代にふさわしい人材を育成するための大学設立を優先すべきだとの意見が多いことを知るべきだ。
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