中国で人気爆発『ハリーポッターと中華帝国』!?(下)
中国で偽物小説が横行するのは今に始まったことではない。90年代半ばに大ブームとなった小説『マディソン郡の橋』は中国で先に続編が登場。ハリーポッターも第4巻まで発売された時点で、中国では『ハリーポッターと竜に迫るヒョウ』『ハリーポッターと黄金のカメ』『ハリーポッターと水晶の花瓶』などといった奇奇怪怪な続編が出版されたと米ワシントンポストが報じている。
偽物があまりに横行し過ぎて、読者が本物と偽物を混同し、ストーリーを錯覚することも多い。ハリーポッターが中国を冒険し、毛だらけの子供に変身したかと思うと、『指輪物語』の魔法使いカンダルフが登場したり、ハリーポッターのガールフレンド、ハーマイオニーと情事を交わす、といったとんでもないものまで存在する。
ニューヨーク・タイムズは「このような文学的詐欺と著作権侵害を中国人は深刻に考えない」と報じている。2002年に「ハリーポッターと陶人形」という偽物作品を発売した出版社の編集長は「ハリーポッターが有名なので、我々もあやかりたかった」と事も無げに語った。
このような態度こそ、中国でハリーポッターの偽物シリーズに限らず、偽のバイアグラが6種類も空港の薬局で売られていたり、海賊版DVD、偽のピカソ作品、有名ブランドを模倣した自動車までが横行している理由を示している。2001年の調査によると、中国で出版された書籍の30-40%が違法著作物だったという。
一方で、ハリーポッターファンは、中国の偽作家たちに感謝しなければならないかもしれない。偽物の横行で作者のJ・K・ローリング氏がシリーズを延長する考えを示したからだ。シリーズの著作権管理担当者は「読者が偽物を続編と錯覚することもあり得るため、ローリング氏はシリーズを計画より延長した」と述べた上で、中国における海賊版取り締まりと法的措置を準備していることを明らかにした。
こうした中、子供への愛情から偽作家になったケースもある。上海の繊維工場に勤務する李ジンセンさん(35)は息子にハリーポッターの1-6巻を買い与えたところ、読み終わった息子が「7巻はいつ出るのか」と聞くので、自分で7巻を書くことにした。
李さんは「5月から朝夕の空き時間を利用し、1日2時間ずつ小説を書いた。タイトルは「ハリーポッターと最後の対決」で、2万5000字に及ぶこの完結編はインターネット上で爆発的な人気を呼び、出版社からの引き合いも相次いだ。
ある読者は「もしローリング氏がこの本を先に読んだならば、完結編を書くのに苦労しただろう」と賛辞を送った。また別の読者も「李さんはハリーポッターファンの誇りだ。彼が8巻目を執筆するのを期待している」と話した。
河南省の田舎で育った李さんは高卒の学歴しか持たず、妻と共働きで得る月収は600ドルだという。彼は実際に8巻の執筆に着手した。原作者の小説は完結しても、偽物のストーリーはエンドレスだ。
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