黄公使の怪死、抗生剤の誤投与が原因=駐中韓国大使館
中国側と共同調査を進めてきた韓国大使館の関係者によると、黄公使が治療を受けた北京市のビスタ・クリニック(維世達診所)は、肺炎や腸炎などの感染性疾患を治療する際に使用するスイス・ロシュ社製の抗生剤ロセフィン(一般名セフトリアキソン)を投与していたことが分かった。
ビスタ・クリニックは、この抗生剤の使用説明書に「カルシウムを含む薬品と同時に投与すると、ショックや血栓が生じるなどの副作用が起きることがある」と明記されているにもかかわらず、カルシウムを含むブドウ糖リンゲル注射を同時に使用していたという。検視の結果、黄公使の遺体からは血栓が複数見つかっていた。
病院側はまた、この抗生剤を使用すると腹痛や血便という副作用を起こす恐れがあったのに、腹痛と下痢を理由に病院を訪れた黄公使に処方していた。病院側は、血栓が生じた場合に使用する血栓溶解剤も準備していなかった。
大使館側はまた、病院側が抗生剤を投与する場合、人体の拒否反応を見るために実施しなければならない皮膚テストも行っていなかったことを明らかにした。黄公使は抗生剤とリンゲル注射の投与を受けた後、急性呼吸困難の症状を示し、同日午前10時20分ごろに呼吸と脈拍が停止した。韓国の内科専門医は「黄公使がリンゲル注射を受けた後、呼吸困難を起こした点からみて、抗生剤の拒否反応だった可能性が高い」と指摘した。
黄公使が投与された薬品が偽物だった可能性や前日に自宅周辺のコンビニエンスストアで購入して食べたツナサンドイッチについても調査が行われている。なお黄公使には抗生剤とブドウ糖リンゲル注射のほか、中国天津で生産された生理食塩水注射液も処方された。
問題の病院は黄公使の急死以降も診療を続けている。中国当局は、最終調査結果がまとまるまで1カ月程度時間がかかるとしている。韓国大使館は黄公使が死に至った原因を速やかに究明するよう中国側に要請する一方、中国在住の韓国人や韓国人観光客に問題の病院を利用しないよう呼び掛けた。中国では医療体系の未整備により、医療事故がたびたび発生している。
北京=李明振(イ・ミョンジン)特派員
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