中国が特別国債相次ぎ発行、過剰流動性吸収へ
中国財務省は、経済過熱の原因となる過剰流動性を吸収するため、6000億元(約9兆円)の特別国債を22日にも発行する予定だ。中国国務院傘下のニュースサイト「中国網」などが17日に報じた。
今回発行される特別国債は、設立準備中の政府系投資会社「中国投資有限責任公司」の資本金に充てられる。調達資金は同社を通じて、海外市場に投資される予定で、事前準備は整った状態だ。
中国の外貨準備高は現在、世界最高の1兆3000億ドルに達する。中国政府は先月、消費者物価指数(CPI)上昇率が過去10年で最も高い5.6%に達したことに頭を痛めている。特に、鶏卵、野菜、肉類など食料品が大きく上昇し、物価安定に深刻な脅威となっている。人民元切り上げなどで海外投資が伸び悩み、外貨準備高は膨らむ一方で、インフレなどの弊害が浮上している。中国政府は国家外匯投資公司の設立で金融資本の海外投資を促したい考えだ。
中国の専門家らは特別国債を発行すれば、インフレが抑制され、消費者物価も安定を取り戻すと分析している。このため、特別国債の発行は過熱気味の中国経済に歯止めをかけるための重要手段と認識されている。流動性過剰を吸収し、マクロ的な経済調整を図る上で効果が期待されている。
中国人民銀行(中央銀行)は法律の定めで、国債を直接発行できない。このため、中国財務省が中国農業銀行に対し発行した国債を人民銀行が引き受ける形を取る。特別国債の発行は中国初で、10年物と15年物の2種類。表面金利は4.30%と4.45%になる見通し。
中国財務省は、今回の発行に続き、6000億元、3500億元の特別国債を追加発行する計画で、最終的には3期合計で1兆5500億元(23兆2900億円)規模に達する見通し。
特別国債の仲介金融機関として農業銀行が選ばれたのは、同行がまだ株式制に転換しておらず、株主による承認が必要ないため、さまざまな条件変更にも柔軟に対応でき都合が良いことが理由だ。
一方、特別国債発行は市中の流動性吸収につながるため、中国の株式市場に悪影響を与えるという観測も浮上している。中国政府はこのため、当面の株式市場に大きな影響はなく、投資家心理にも影響を与えないとの見方を示し、懸念払しょくに努めている。
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