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【社説】大統領秘書官の一声で詐欺犯の肩を持った国税庁長

 鄭允在(チョン・ユンジェ)前大統領府儀典秘書官の紹介で会った建設会社社長から1億ウォン(約1200万円)を受け取り、収賄容疑で逮捕された鄭祥坤(チョン・サンゴン)前釜山地方国税庁長が、この建設業者が受けていた税務調査で手心を加えただけでなく、調査のきっかけとなった情報提供者の身元情報まで提供していたことが明らかになった。

 鄭前庁長によって情報提供者の身元を知らされた建設会社社長は、国税庁の税務調査がうやむやになった後にその情報提供者と会い、5000万ウォン(約600万円)の口止め料を提示して政務調査のきっかけとなった件について、事実関係を公にしないよう頼もうとしたという。これでは、犯罪の通報を受けた警察が、捕まえた犯人からわいろを受け取り、犯人を逃がすだけでなく、通報した人物が誰かを教えてやるのと変わらない状況だ。検察のこうした行為によって通報者に害が及ぶことのなかったのが、せめてもの幸いと言わざるを得ない。国税庁の高位幹部のモラルがここまで堕落しているとは、あきれるばかりだ。

 地方国税庁の庁長は地域の企業にとっては生死を左右するような存在だ。そうした人物が、300億ウォン台(約40億円)の融資を受けながら会社が倒産したように見せかけて私腹を肥やした中小企業経営者の手助けをした。大統領の側近とされる鄭允在前秘書官がこの詐欺犯と地方国税庁長との間を取り持っていなかったとしても、庁長がこれほど何から何まで便宜を図っていただろうか。

 言い換えれば、大統領府の要人にさえ働きかければ、地方国税庁のトップが税務調査の対象となっている企業の社長に会い、税務調査をなかったことにしたり、情報提供者の身元情報を耳打ちしてくれたりするということだ。大統領府の386世代(1990年代に30歳代を過ごし80年代に大学に通った60年代生まれの世代)の秘書官は、この世に怖いものなどないらしい。

 ここまで事実が明らかになってきているにもかかわらず、検察は鄭氏について「捜査する必要性も、計画もない」としている。検察のこうした体質を見ていると、韓国が果たして本当に法治国家なのか疑問に思わざるを得ない。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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