【萬物相】ハングルとハングルの日
1990年代半ば、英国オックスフォード大学が世界の約30種の主要文字についてその合理性や科学性、独創性をランク付けした。そしてハングルはその第1位となった。また米国シカゴ大のマッコリー教授は毎年10月9日に同僚教授や学生らと共にハングルの日を祝っている。さらに英国リーズ大のサムソン教授は基本の字母に画を加え、音声学的に同種の字を派生させることのできるハングルの特性に注目し、地球上でもっとも進化した文字であると評価するとともに、「特質文字」という新しい分類を新設した。
ハングルはまた、情報化時代に強みを発揮する文字だ。タイピングでは中国語や日本語とは比較にならないほどに入力が早い。また携帯電話の文字メッセージ入力でも、英語を圧倒する入力速度を誇る。休みなく文字を打ち続ける「親指族」が登場したのも、ハングルがあったからだ。「一字一音・一音一字」という規則性が存在するハングルは、ロボットやコンピューターに音声を認識させる上でも、他の言語より正確な「命令言語」として期待されている。
だが、ハングルはまだ抽象的な表現に弱いという指摘がある。かつて、ドイツの哲学者ハイデガーは「哲学を研究するのにもっとも適した言語はギリシャ語とドイツ語だ」と語った。だがこの2つの言語が最初からそうした性質を持っていたわけではない。これらの言語圏から、世界の哲学史を形作る数多くの哲学者が輩出されたことで、次第にそうした性質が獲得されたのだ。そうした意味で、韓国の一部学者らが純粋な韓国語だけで学問を行うことに挑戦し、「純韓国語哲学事典」を編さんしたのは高く評価できる。
韓国外国語大学の李基相(イ・ギサン)教授は現在、「被投性」を「投げ飛ばされていること」、「用在性」を「手の内にあること」といった具合に、西洋哲学の用語を純粋な韓国語に置き換える作業を行っている。一方、ソウル大学の趙東一(チョ・ドンイル)名誉教授は東アジアの伝統を強調するとともに、漢語の理解を一層深めるべきだと主張している。立場はさまざまだが、最終的に韓国の思想を世界的な水準にまで引き上げ、それを美しく、正確な韓国語で表現できるようになれば、ハングルはまた一段と完璧なものに近づくことだろう。
李先敏(イ・ソンミン)論説委員
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