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【社説】拉致問題・捕虜問題を後退させた南北首脳会談

 南北首脳会談以降、初めてとなる南北離散家族の対面行事が17−22日、金剛山で開かれる。今回で16回目となる対面行事では、17−19日に第1陣として北朝鮮側の97人と韓国側の約400人が対面し、20−22日に第2陣として北朝鮮側の94人と韓国側の約250人が対面を果たす。だが今回の行事に、拉致被害者や韓国軍捕虜は一人も含まれていない。

 2000 年11月に行われた第2回対面行事から第15回までは、1回につき1−4人の拉致被害者や韓国軍捕虜が「特殊離散家族」という名目で対面行事に参加し、対面を果たしてきた。第2回以降で行事参加者に拉致被害者や韓国軍捕虜とその家族が1組も含まれていないのは、今回が初めてだ。数の上では少なくても、毎回続いてきたそうした対面が、南北関係の飛躍的発展を唱える先の首脳会談により、拡大するどころか途絶えてしまったのだ。盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領は南北首脳会談に関する対国民報告会で「(拉致被害者・韓国軍捕虜問題について)論議はしたものの、成果がなかった」と語っていた。だが今回の会談の「成果」によって拉致被害者や韓国軍捕虜の対面がなくなるとは、誰が予想しただろうか。

 北朝鮮は韓国軍捕虜や韓国人拉致被害者の存在そのものを認めていない。そして韓国政府は北朝鮮の顔色をうかがい、拉致問題や捕虜問題についてまともに言及することすらできないでいる。韓国政府は今年4月の南北赤十字会談では、会談の直前まで韓国軍捕虜や拉致被害者の生存確認と、通常の対面行事とは別枠の対面行事を実現させるとしていたものの、実際には「離散家族の対面行事に合わせて行えば十分」という北朝鮮の主張に押されてしまった。そして今回の行事ではその時の北朝鮮の約束すら、もはや守られなかった。

 統一部の当局者は「拉致被害者・韓国軍捕虜20人について北朝鮮に生存確認を要請したところ、19人は確認不可能、一人はすでに死亡しているとの通報があった」としている。いくら北朝鮮の国内事情がでたらめだとはいえ、20人のうち19人が確認不可能だというのは、到底受け入れられない話だ。そうでなくとも、拉致被害者や韓国軍捕虜は北朝鮮当局の監視下に置かれて生活している。かつて北朝鮮側が「確認不可能」としていながら後になって生存が確認された例としては、拉致被害者で元漁師のコ・ミョンソプさんや韓国軍捕虜のヤン・ハンソプさんなど、脱北して韓国に帰国したケースもある。

 統一部は「北朝鮮側からの通知の日付が首脳会談の2週間前の9月18日となっており、今回の対面行事の内容と首脳会談とは無関係だ」と強弁している。しかし南北首脳会談の開催が発表されたのは、それよりもずっと以前のことだ。韓国政府は現在、共同声明文の「履行総合企画団」を発足させるなど、北朝鮮援助の推進に余念がない。その裏で捕虜問題や拉致問題はないがしろにされてしまっている。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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