中国製の医薬品原料、無認可で堂々と海外展示=NYT紙
31日付米ニューヨーク・タイムズは、中国の化学メーカーが生産する医薬品原料が、中国政府による成分確認や検査を受けずに輸出されていると報じた。
同紙は独自の調査報道で、「中国の化学メーカーは最低限の薬品生産工程の基準も満たしておらず、検証なしで輸出を行っているほか、成分を偽っている」と指摘した。薬品の中心成分までもが別の開発途上国で生産されており、インターネット販売のほか、安価な医薬品を求める米国などの市場向けに出荷されているというのだ。
今回、イタリアのミラノで開かれた薬品展示会には、医薬品原料を輸出する中国の化学メーカー82社が出展したが、中国の国家食品薬品監督管理局による認可を受けた企業は1社もなかった。こうした企業は音楽やワイン、マッサージ椅子などで来場者をもてなし、薬品の商談を進めていたという。
展示会に出展した中国企業の中には、違法な研究施設にステロイドを供給していたとして米当局に起訴された企業や特許侵害で駐在員が逮捕された企業も含まれていた。
同展示会に出展したオリエント・パシフィック・インターナショナルという中国企業のオーナーは、 会場に姿を見せることができなかった。統合失調症、前立腺がん、血栓症、アルツハイマー病などに効果があるとする偽造薬品を販売した罪で、ヒューストンの刑務所で服役しているためだ。
同紙は中国内の薬品成分に対する規制には問題点があると指摘した。製薬会社は食品薬品監督管理局による監督を受けるが、化学メーカーは生産品目が肥料から触媒までと多様なため、複数の機関による監督を受ける。問題は、化学メーカーが医薬品原料の生産に参入しても、検査が1度も行われていないことだ。食品薬品監督管理局の当局者は「化学メーカーを検査したことはない。われわれに管轄権はない」と話したという。
こうした中、無錫金麗潔国際貿易という化学メーカーは、186種類の薬品を販売していると広告するなど、薬品の製造、販売にいかなる規制も受けていなかった。同当局者は「これは明らかに違法だ」と指摘した。
また、出展した中国の国有企業2社はかつて、医薬品原料と成分を誤記して劇薬を輸出し、ハイチとパナマで約200人が死亡するという事態を招いたことがある。中国政府もこの事件を契機に規制の問題点を認識したが、化学メーカーに薬品輸出を中断させることはできなかった。
同紙は、中国は現在、150カ国に医薬品原料を輸出していると指摘した上で、一見安全に見える米国でも、食品医薬品局(FDA)がどれだけ消費者の安全を保護できているのか、米議会で懸念が高まっていると伝えた。
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