【コラム】中身のない韓国のユーザー制作コンテンツ
最近米国では「iTunes 大学」と呼ばれるサービスが大きな人気を呼んでいる。今年5月に開始したこのサービスでは、デューク大やマサチューセッツ工科大(MIT)、スタンフォード大、エール大、カリフォルニア大学バークレー校といった米国の30以上の大学から数千におよぶ名講義がインターネットを通じて提供されている。「iPod」をはじめとするMP3プレーヤーのユーザーなら、年間数万ドルの学費を払わなくとも、こうした名講義を無料で聞くことができる。米カリフォルニア州サクラメント大コミュニケーション学科のニック・バーネット教授が、今月から教室での講義をやめ、すべての講義を「iTunes 大学」を通じて提供することにしたというニュースもあった。
今年韓国ではUCC(ユーザー制作コンテンツ)という言葉が社会現象となった。UCCが注目されたのは、かつて一方的に情報を受け取るだけだった一般ユーザーがカメラを手にコンテンツを制作し、それを発信することで新たなメディアの流れが生まれたからだ。
今年初めには「今回の大統領選挙の行方はUCCがかぎを握る」という認識が高まり、すべての候補がUCC担当チームを置いた。またネット上には無数のUCCサイトが登場した。だが結果は、惨たんたるものだった。大統領選挙の行方を決める「大スクープ」とされたBBK事件が空振りに終わったように、UCCは前評判とは違い、大統領選挙に大きな影響を与えることはなかった。UCCブームの基礎となったブログ・コミュニティーで人気を独占していた候補も、実際の選挙では予想外に低い得票率にとどまった。
大統領選挙による特需を見込んでかなりの額を投資していた国内のUCC関連企業は、いまだにこれといった収益モデルを見つけられないでいる。そのためUCCそのものが、IT(情報技術)分野で周期的に登場する一種の流行に過ぎなかったのではないかという声も上がっている。ただの一過性のブームだったという見方だ。
今年韓国で流行したUCCの内容は、中身のない、受け狙いのものがほとんどだった。ポータルサイトやUCCサイトは今年、大統領選の各陣営が選挙の道具として作成した動画や、企業から出資してもらって製作したにもかかわらず、一般ユーザーが作成したかのように見せかけたニセUCC、芸能人のダンスなどを編集して作った芸能パロディーUCCなどで占められていた。結局、UCCそのものに問題があったというよりは、韓国におけるUCCブームに問題があったのだ。
国内のインターネット関連企業からなる韓国インターネット企業連合会は今年、インターネット業界の10大ニュースのトップとして「インターネット強国に赤信号」という内容を選んだ。韓国のインターネット産業はこの間、表面的に巨大化しただけで、肝心の中身は後退しているという警告だ。1度見て大笑いしておしまいといったUCCコンテンツではなく、ソウル大学や韓国科学技術院(KAIST)による名講義の提供や、大統領主宰の国務会議の様子といった、韓国社会にとって重要な情報を発信していくようでなければ、国内のUCC事業に未来はないだろう。
ファン・スンヒョン記者(インターネット・ニュース部)
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