歴史的事実を無視する時代劇(上)

- SBSの時代劇『王と私』で、於于同が刑場に連れて行かれる場面。このドラマでは成宗が於于同に心を寄せ、王宮の壁まで越えたと描写されているが、実録には、成宗と於于同に関する記録はない。
忠寧大君は家出したのか。成宗は於于同(オ・ウドン)に会いたくて王宮の壁を越えたのか。
正統派時代劇を謳うドラマが、歴史的事実を歪曲したり、ありもしないことを歴史的事実であるかのように表現していることに対し、「やり過ぎではないか」という批判を受けている。いくらドラマチックな再構成を行ったとしても、度が過ぎているという指摘だ。とりわけ、若い夫婦が子どもに「歴史の勉強になるから」といって時代劇の視聴を勧めるケースもあることから、歴史を歪曲する脚色が批判の対象となっている。
◆あまりにも虚構だらけの「正統派」時代劇
KBS第1テレビの『大王世宗』は、太宗の3番目の息子だった忠寧大君が世宗になる過程を描いている。番組の中で忠寧大君の性格が気高いことを強調して見せようと、制作陣は「王子家出事件」まで作り出した。人民がどのように暮らしているのか気になった忠寧大君が、好奇心を抑えきれずに王宮をこっそり抜け出し、街中でならず者に拉致される、という内容だ。
制作陣は、「忠寧大君が高麗の復活を夢見る勢力に拉致されながらも脱出した場面を通じ、彼の非凡な一面を描写しようとした」と釈明した。しかし歴史学者は、「王子が街中で拉致されるというのは、理解できない展開だ」と指摘した。
また、譲寧大君に関する描写も不自然だ。おとなしく弟に王位を譲った譲寧大君の実際の姿とは異なり、ドラマの中では忠寧大君と譲寧大君が権力をめぐって争いを繰り広げる。さらに、先王の後宮を弄ぶにとどまらず、素手で人を殴り倒す姿まで見られた。
一方SBSテレビの『王と私』ではドラマの主人公、金処善(キム・チョソン)が睿宗代に王宮入りし、燕山君の父である成宗が王位にあるときはまだ一内侍に過ぎなかったと設定し、議論となった。金処善が文宗から燕山君まで6代の王に仕えたという記録を無視した設定だ。
成宗が於于同(オ・ウドン)に溺れる余り壁まで越え、王の身分を隠したまま愛を交わす姿も放送された。しかし実録では、成宗が於于同の品行に憤怒して絞首刑に処したと記されている。
少し前に放送が終了したKBS第1テレビの『大祚栄』も、天門嶺での戦いの前に死ぬはずの乞四比羽が最後まで生き残るように設定されており、視聴者の指摘を受けた。
ソン・ヘジン記者
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