【コラム】韓国には英語が必要だ(上)
「キロギ家庭(早期留学のため妻と子が外国に滞在し、父親だけが韓国に残って単身で働いている家族)」が増加し、多くの母親たちが米国の地で苦労していると聞く。6-8年間もの間、学校で英語を勉強したにもかかわらず、「なぜこんなに話せないのだろう」とため息ばかりついている母親たちは、韓国の英語教育の問題を、実感しているはずだ。これは何も本人たちだけの責任ではない。
海外に渡って勉強する生徒たちや、外国企業との取引が多い商社の社員、外国に移民して日々の生活に明け暮れる人々、先端技術や新しい知識を吸収しようと奮闘する技術者たち…。その皆が英語という壁に悩まされている。韓国人の英語力不足が原因で生じる個人レベルの損失や国家レベルのムダは、計り知れないほどだ。
英語はコミュニケーションの道具であり、手段だ。言語のことを文化や歴史の結晶体だと言う人もいるが、文化や歴史もコミュニケーションあってのものであり、言語はその道具としての役割が強い。
また現代社会は、情報化社会と呼ばれる。情報は何から生まれるのだろうか。情報とは、人間と人間の間で知識やアイデアが行き交うところから始まる。そして言語という道具は、情報のやりとりには欠かせないものだ。
情報のやりとりにおいて、相対的に優位な立場にある方の言語が優勢になるのは当然のことだ。そして米国が韓国よりも優位にあることは、否定できない事実だ。米国そのものが重要というよりも、米国と国益を共にする国や、米国との取引が多い国、米国の影響力が強い国では英語が通じるという事実が重要なのだ。だから韓国も、その「共通語」を手に入れてはどうかと言っているのだ。
英語に、必要以上の意味を付与する必要はない。言語の専門家でもない歌手のシン・ヘチョル氏は、政権引き継ぎ委員会が「英語公教育完成プロジェクト」を発表したことについて、「米国の51番目の州になるつもりか」と皮肉り、反対を表明した。われわれが、われわれの必要性のために英語を勉強することを指して、まるで米国の属国になるかのように話すのは、あまりにも時代錯誤な感覚だ。
「英語が必要でない人までも無理やり英語漬けにするつもりか」という人もいるかもしれないが、そもそもわれわれが学校で学ぶ科目は、何もすべてが実生活の役に立つから学ぶわけではない。われわれが韓国語をないがしろにしてまで英語を勉強するというのならともかく、言語の問題にこうした国粋主義的な態度で臨むのは問題だ。
金大中(キム・デジュン)顧問
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