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【コラム】九州は韓国に向けられた「刃」(下)

 これは本当に「便利だなぁ」と思える。だが、こうした特長を持った福岡は、韓国にとって手ごわい敵にもなり得る。1年前、経済専門週刊誌『日経ビジネス』が、「九州独立戦争」というタイトルで、福岡を含む九州地方の変わった動きについて紹介したことがある。「九州だけで韓国との自由貿易協定(FTA)を締結しよう」という主張が、九州の経済人たちの間で出ているというのだ。九州経済の韓国に対する依存度が、日本の首都圏に対する依存度よりも高くなりつつあることから、こうした主張が出てきているのだ。

 九州の観光産業の代表格といえる温泉やゴルフ場は、すでに韓国からの観光客がいなければ生き残れないといわれる。これは決して誇張した話ではない。今現実に起こっていることなのだ。表現を変えれば、「九州の観光産業が、韓国からお金をかき集めている」とも言える。九州の存在のために、済州島の観光産業が苦戦を強いられるとすれば、九州は決して韓国経済のパートナーとは言えない。

 だが、韓国にとってさらに脅威となるのは、韓国から極めて近い九州に、トヨタのような大企業の生産拠点があるということだ。福岡にあるトヨタの工場では、韓国向けレクサスの75%を生産している。地理的な近さを利用したというわけだ。現代自動車の生産拠点である蔚山と福岡がどれだけ近いか、地図を見ればすぐに分かる。韓国の自動車業界は脅威を感じて然るべきなのだ。九州にはほかにも、トヨタと並ぶ大手自動車メーカーの日産、トヨタ系列のダイハツの生産拠点もある。また、東芝やソニーの半導体の生産拠点も、観光地として有名な大分県と熊本県にある。

 韓国の政権交代を前に、福田康夫首相は「韓日FTA締結交渉の再開」に言及した。物流の壁がなくなるFTAの締結は、経済的な意味では「九州」という巨大な製造業や観光産業が、韓国に新たに進出することを意味する。二重三重の留保条件を付けたとしても、トヨタ自動車九州はいずれ、自動車を積んだ船を蔚山港に横付けし、無関税で車を持ち込むことになるだろう。このままでは現代自は、済州島の観光産業が受けている打撃よりも、さらに大きな打撃を受けるかもしれない。九州は韓国に向けられた日本経済の「刃」なのだ。

東京=鮮于鉦(ソンウ・ジョン)特派員

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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