Print this Post Article Lists Back

秋山成勲「ただ穏やかに暮らしたい」(下)

 柔道選手出身だが突き蹴りにも強かった秋山はすぐにトップクラスとなった。06年10月にはオランダのメルビン・マヌーフ(31)を相手に1回KO勝ち、K‐1HERO'S・ライトヘビー級王座に就いた。日本に帰化したが、韓国で総合格闘技大会が開催されれば韓国チームのメンバーとして出場した。「自分は韓国人ではありません。日本に帰化しました。しかし自分の体に流れているのは韓国の血です」と語り、韓国では「秋成勲」として、日本では「秋山成勲」として同時に人気を得るようになった。

 しかし両国から同時に歓迎される時期は短かった。06年12月に日本のスター桜庭和志(38)を倒した際、全身にスキンクリームを塗っていたとの理由で無期限出場停止処分を受けた。日本のマスコミは韓国人であることを取り上げ、「今後も試合に出るときは引き続き秋成勲という名を使うのか」と露骨な質問もした。

 記者は「あなたは“ヌル山”“反則の柔道王”“黒魔王”“サタン(悪魔)”などと揶揄されていることについてはどう思っているのか」と質問した。だが秋山はそれには答えず、しばらく記者の目を凝視した。

 「気分は良くないでしょう。自分がつけたあだ名でもないし。観客の中に自分を応援する人が数人でもいれば、その人たちのために最善を尽くす姿を見せるのが最も大切なことだと思います」

 昨年大みそかに行われた日本での復帰戦で、秋山は三崎和雄(31)に鼻を折られるなどして敗北を喫した。三崎は血を流しながら退場する秋山の後ろから、「日本は強い」と露骨な発言をした。三崎が当時、ヒザと両手がリングについていた状態の秋山の顔に蹴りを入れ、反則ではないかと問題にもなった。結局協会は反則と認め試合は無効となったが、秋山は試合後しばらくは抗議しなかった。「前の試合で反則疑惑がありましたからね。“お前も反則したのに、反則負けしたからと言って何か言えるのか”と言われそうだったので」

 夢について聞くと、「一つ一つの試合で選手として最善を尽くすのが目標です。三崎選手との再試合後に新しい目標を決めたい」と語った。さらに長い目で見た目標は何かと聞いたところ、しばらく黙った後に口を開いた。「ただ、穏やかに暮らせたらいいと思います」

チョン・ヒョンソク記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
このページのトップに戻る