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脱北者:中朝国境、悲しき「豆満江沈清」

【特集】天国の国境を越える

 中国と北朝鮮の国境を流れる豆満江。昨年10月22日未明、月明かりの中をムン・ユニさん(当時25歳・仮名)が川を越えてきた。見知らぬ男に手を引かれ、幅40メートル足らずの川を渡ってきたのだ。彼女は一度も会ったことがない中国の独身男性のもとへ売られていくところだった。男は北朝鮮の人身売買ブローカー。強風に草がざわめく中、中国側の川岸に立った彼らの下半身は下着だけの姿だ。ズボンと靴は包みの中に入っている。真夜中にぬれた服を着ていれば脱北者であることが明らかだからだ。

 ブローカーは川を渡り再び北朝鮮側に帰った。潜伏先に案内された彼女に「なぜ渡ってきたのか」と尋ねると、「父は1990年代後半の食糧難で死んだ。母も栄養不足で目が見えない」と答えた。トウモロコシ、豆、米といった穀物300キロ分の借金があるという。韓国の古典小説『沈清伝』の主人公沈清(シム・チョン)のように、目が不自由な母と弟のために彼女は売られていくのだ。ブローカーは人身売買で得た代価で借金の半分を返済した。金額はわずか350元(約5100円)だった。

 中国と北朝鮮の国境地帯での人身売買の実態が本紙の特別取材班によって明らかになった。1990年代後半、北朝鮮の食糧難で急増した脱北行為が、人身売買という反人権的な行為へと悪化していることになる。取材班は昨年5月から10カ月、中国、ロシア、ラオス、タイなど世界9カ国を回り、脱北者が置かれている現状を取材した。韓国、北朝鮮そして中国の政府による無関心の下、彼らは強制送還の恐怖と貧しさという現実の中で毎日を過ごしていた。今年の北京五輪を控え、世界が中国政府に脱北者の人権問題改善を求めている。なぜ世界がそこまで脱北者の人権に注目するのか、その理由を集中報道する。

特別取材チーム

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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