【萬物相】ベトナム人妻
19歳のベトナム人新婦フアンマイさんが昨年7月、天安市内の地下の一室で遺体で発見された。肋骨(ろっこつ)18本が折れていた。犯人は46歳の夫だった。2006年12月、結婚仲介業者を通じてベトナムで出会った二人はその日に結婚式を挙げた。昨年5月に韓国にやって来て新しい部屋を借りたが、彼女の夢はすぐに打ち砕かれた。夫はいつも酒びたりで暴力癖もあり、言葉も通じるわけがなかった。彼女は1カ月後、帰国しようと決心した。夫は「結婚詐欺だ」と叫びながら彼女に暴力を振るい、結局は殺してしまった。
フアンマイさんは亡くなる前日、夫に6枚の手紙を書き残した。「あなたが何を飲み食べているのか、あなたに何があって体の具合はどうなのか知りたいです。わたしがあなたを喜ばせることができるように、あなたについてたくさんのことを学びたいと思っていましたが、あなたは逆に、わたしがあなたを苦しめていると言いますね。わたしはあなたが気に入ったから選ばれ、気に入らなかったら選ばれていなかったたくさんの女性のうちの一人にすぎませんでした。わたしはベトナムに帰ってもあなたを恨んだりはしません」
最近、大田高等裁判所が彼女の夫に懲役12年の刑を宣告した。その判決文では彼女の手紙について言及されていた。裁判長は「公式の文書に彼女の声が記録されれば、少しでも悔しさを和らげることができると思います」と述べた。裁判長は許しを請う反省文のようなものも書いた。「夫が何も考えずに彼女に会った過程を振り返ると、自戒の念を感じる。他国の女性を輸入品のように取り扱う乾き切った人間性と愚かさが破局を招いた」
昨年は夫の暴力に耐えられず、マンションから飛び降りて死亡したベトナム人女性もいた。今月6日にはマンションから転落して死亡した別のベトナム人女性も問題となった。ベトナム社会はまたも悲しみと怒りに包まれた。ベトナムのグエン・ミン・チェット国家主席が昨年10月、韓国大使に対し、「嫁に行ったわが国の娘たちをよろしくお願いします」と直接要請したほどだったが、現状は何も変わらなかった。
ベトナム政府は現地で国際結婚をあっせんする韓国業者に対する取り締まりを行っている。韓国政府も国際結婚仲介業者に対しては許可制とし、6月から施行されるという。問題は法や制度ではない。経済大国、文明国の虚像の中にとらわれている自分たちの内面における野蛮さを、胸が痛くとも告白しなければならない。フアンマイさん殺害事件を取り扱った裁判長のように、われわれが自らについて心の底から反省し、目覚めることが何よりも必要だ。
キム・ホンジン論説委員
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