聴診器をかけたデザイナー、キム・スンボムさん

- キム・スンボムさん
この病院のデザインが特別なのには理由がある。キム・スンボム院長(32)は冷たい病院のムードとは違う、暖かくお洒落な病院を作る「医療デザイン」会社の代表を兼ねているのだ。
キムさんは医者の名刺以外に「マニック・デザイン代表」という名刺も持っている。昨年5月に病院をオープンする前、「原州医療機器テクノバレー(WMIT)」にこの医療デザイン会社を設立した。
キムさんは2004年に延世大学医学部を卒業した後、楊州で公衆保健医師として勤務しながら、新しい病院のデザインを構想したという。
「小学3年生のとき交通事故に遭い、7カ月間入院したことがありました。そのとき、わたしが冷たく白い病院の中で感じたのは、恐ろしいという思いばかりでした。これを変えるべきだと思ったんです。医療機器からインテリアまで機能中心の病院のデザインを、温かい人間味溢れる雰囲気に変えたいと思いました」
キムさんの病院には病院を象徴する赤、緑、青といった色はほとんど見当たらない。その代わり、自然を象徴する茶色、ベージュが中心となって構成されている。お洒落なインテリアは韓国芸術総合大学で映画演出を学んでいる兄との合作だという。二人で黄鶴洞市場(ソウル市中区)を歩き回りながら買い集めた3‐5万ウォン(約2900‐4900円)の安い中古品で病院を飾った。患者のチャートは再生紙を使って作ったノート、アルコールを染み込ませた綿を捨てるゴミ箱はキム院長が描いたキュートなキャラクターで飾られている。患者用のイスは古い劇場のイスの足を切って作ったもの。診療ベッドは患者が冷たさを感じることのないよう、鉄製ではなく木のベッドにした。
直接デザインした医療機器もある。子どもたちが怖がらないよう、先端にキャンディーをつけた木の舌圧子(口やのどを診察する際、舌を押さえるへら状の医療器具)は特許出願中だとか。
弘益大学前、30代前半、カフェ病院…。そんなお洒落な肩書きのため、「金持ちのボンボン医者」と皮肉られたこともある。しかしキムさんの両親は、まだ「マイホーム」を買えずにいる普通の庶民だ。キムさんは「人間が中心となる医療本来の価値を追求するため、デザインをその手段として用いた。最近はそんな思いを理解してくれる医療界の先輩が増えて嬉しい」と話す。
キム・ミリ記者
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