フィギュア:真央はうれし涙、美姫は悲し涙

- 浅田真央
日本フィギュア界の星二人が泣いた。だが、涙の理由は全く違っていた。
浅田真央は感激して涙を流した。スタートではアクシデントに見舞われた。フリープログラム最初の技であり、浅田が最も得意としているトリプルアクセルを飛ぼうとした瞬間、足を滑らせきちんとジャンプできず、脇腹・背中方向から落ちた。受け身の体勢が十分とれないまま転倒した柔道選手のようだった。浅田の体は審判席があるフェンスまで滑った。氷で擦り傷ができ、血もにじんだ。
浅田は練習でも経験したことのない「墜落」にショックを受け、数秒間ぼう然としたままだった。「何も考えられなかった。心臓が止まりそうだった」という。
トリプルアクセル(基本点数7.5点)に挑むこともできず、点数は0点。そのうえ転倒に対する減点が1点で、マイナス1点という状態だった。だが、こうなると「あとは練習通りにしよう」と心に決めた。浅田はその後3回転ジャンプ6つを含む技をいとも簡単にやってのけ、芸術性や表現力で魅せた。演技を終えた後は笑顔がこぼれる余裕すらあった。
フリーの点数はキム・ヨナに及ばなかったものの、ショートプログラム2位という好成績で稼いでおいた点数のおかげで合計1位になった。浅田はドラマチックな逆転劇を演じ、初めて世界選手権のタイトルに輝いた。パーフェクトでない状況で勝ったことで、さらに強い選手に生まれ変わるきっかけを掴んだのだ。
一方、去年の世界選手権女王である安藤美姫は、フリーの演技が始まって1分で棄権した。今大会前に左ふくらはぎに肉離れを起こしていたが、この日の最終公式練習でその状態がさらに悪化した。ショートプログラムで8位だった安藤は「フリーは棄権しよう」とモロゾフコーチに言われたが、棄権手続の書類にサインせず、出場を強行した。しかし、脚が言うことを聞いてくれなかった。
序盤の3回転ジャンプで立て続けに失敗、ジャッジ席に向かい途中棄権を申し出た。リンクの外で「応援してくださった方々に本当申し訳ない」と語る間も悲しい涙が止まらなかった。
イエーテボリ(スウェーデン)=成鎮赫(ソン・ジンヒョク)記者
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