再び火が付いた死刑存廃論議
1997年を最後に執行なし
死刑制度の存廃をめぐる論議に再び火が付いた。金文洙(キム・ムンス)京畿道知事は21日、安養市の小学生殺害事件や、ユ・ヨンチョル死刑囚による連続殺人事件などを例に挙げ、「女性や子どもを惨殺しても死刑が執行されないというのは間違っている」として、死刑制度の廃止に反対する意向を表明した。
一方、法務部はこの日、「死刑制度の存廃問題については、制度の持つ機能や社会の現実、国民の世論など、さまざまな側面を総合的に勘案し、慎重に決断を下す必要があるというのが、法務部としての公式見解だ」と発表した。
◆「実質的な死刑廃止国」
韓国は「実質的な死刑廃止国」に分類されている。法律上で死刑制度が残っており、58人に対する死刑が確定しているにもかかわらず、金泳三(キム・ヨンサム)政権下の1997年12月30日に23人の死刑が執行された後、10年にわたって一度も死刑執行がなかったため、事実上死刑が廃止された状態にある、と判断されたからだ。国際的な人権団体「アムネスティ・インターナショナル」も昨年末、韓国を「実質的な死刑廃止国」に分類した。
◆政府レベルでの態度表明は留保
だが、韓国ではまだ、死刑制度廃止の是非について、政府レベルで態度を表明したことはない。昨年12月、国連で「死刑制度の恒久的な廃止を目標とし、死刑執行の猶予を求める決議案」が初めて採択されたが、韓国はこの決議案の採決で棄権した。また、2002年と03年に「死刑制度廃止決議案」が上程された際にも、韓国は反対票を投じている。
一方、韓国国会でも1999年に「死刑制度廃止法案」が初めて発議され、その後2000年、04年の改選後にそれぞれ過半数の議員が法案に署名したものの、法制司法委員会では議論することもなく、自動的に廃案となってきた。
このように、死刑制度の廃止に関する論議が、実際に死刑制度の廃止につながらないのは、大多数の国民が現在も死刑制度の存続を支持しているためだ。03年に国家人権委員会が行った国民意識調査では、国民の86.8%が「死刑制度の廃止に反対」と回答した。また、04年に韓国社会世論研究所が行った調査でも、全回答者の66.3%が死刑制度の存続に賛成している。
チャン・サンジン記者
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