【萬物相】海外養子と国内養子
米国アイオワ州で24日、韓国人養子4人と妻を殺し自殺したスティーブン・スーペル容疑者は、福祉団体に多額の寄付をしていた模範市民だったそうだ。米国のメディアは「いつも笑っていて仲が良さそうで、子供たちを愛していた」と伝えている。4人の養子はチェロやゴルフを習い、草花を育てるのが好きだった。昨年10月、銀行副頭取のスーペル容疑者が横領していたことが発覚し、銀行をやめるまでは幸せな家庭だったようだ。
韓国の養子あっせん機関は海外の養父母に厳しい条件を付けている。米国の養子あっせん機関CHSFSのホームページを見ると、韓国の子供を養子として受け入れる条件として、「25歳から44歳までの夫婦で、夫婦の年齢差は15歳未満」「高卒以上」「年収3万5000ドル(約348万円)以上」となっている。中には「平均体重より30%以上太っていてはいけない」という項目まである。
養子受け入れの費用も少なくない。米国内での手続き費用が4250‐5100ドル(約42‐51万円)、韓国内での手続き費用は1万7350ドル(約173万円)だ。子供を米国に連れていくのに掛かる費用まで入れれば2万5000ドル(約248万円)以上になる。米国に行った後も、韓国の養子あっせん機関に対し、1・3・5カ月目に養子の成長の様子を報告する書類や写真6枚を送付するよう義務付けられている。そこまでしても、すべての養子が幸せに成長できるとは限らない。そしてアイオワでは今回の悲劇が起きてしまった。
「韓国養子広報会」ホームページには、3歳の女の子と10歳の男の子を養子に迎えた夫婦が「この上ない喜び」という文を掲載している。この夫婦は、上に「おなかを痛めて産んだ」実子が二人いて、合計4人を育てている。小学5年生になった10歳の男の子は勉強がよくでき、クラス委員をしている。そして生徒会の副会長に立候補すると言い出し、演説の原稿を書いているところだそうだ。3歳の女の子は、兄が父親の腕枕で寝ていると、「そこはわたしの場所よ!」と割り込んでくるという。夫婦は「わたしたちが出会って結婚したことの次に素晴らしいことは、養子二人を“胸を痛め”育てていること」と書いている。
2006年に米国に渡った韓国人養子は1376人で、中国の6493人、グアテマラの4135人、ロシアの3706人に続き4番目に多い。韓国経済は世界ベスト10入りを果たし、所得は2万ドル(約200万円)、超低出産率の国ながら「孤児輸出国」といわれている。だが幸い、昨年からは海外養子よりも国内養子のほうが増えている。韓国の子供たちを遠い異国に養子に出し、恥や罪悪感にさいなまれるような思いからはもう解放されたい。
韓三熙(ハン・サムヒ)論説委員
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