「韓国の敵は米国」に衝撃受け教科書執筆(上)
金忠培(キム・チュンベ)陸軍士官学校校長インタビュー
3年前に長官命令で外部に公開されず
2004年陸士新入生の34%が「敵は米国」
前校長「これではダメ」と作成
なぜこんなことになったのだろうか。金校長は陸軍士官学校生たちと面談し、その理由を分析した。すると「全教組(全国教職員労働組合)の教師にそう学んだ」と答える陸軍士官学校生が多かった。西ドイツに出稼ぎに行った韓国人炭鉱員やベトナム戦争の韓国兵、中東に行った出稼ぎ韓国人労働者について金校長が話そうとすると、「何のことか分からない」と目をパチクリさせた。こうした史実については学校で習っていなかったのだ。
最も多くの学校が使用しているという金星出版社の教科書『韓国近・現代史』を読み、金校長はさらに驚いた。「北朝鮮は軽く批判するふりをしながら、自由民主主義体制を非常に否定的な視点で解釈していたのです」
「これではいけない」と判断した金校長は自ら立ち上がった。校内の講堂に陸軍士官学校生を集め、質問を投げかけた。「大韓民国の将来を担う皆さんは、50代や60代の人々が味わったつらさをどれだけ知っているのか」。金校長は悲壮だった。「1960年代に西ドイツで死体洗いをした看護士や、地下1000メートルで汗を流した炭鉱員たちのおかげで、今日の韓国は豊さを享受できるということを知っているのか」。「涙の講義」は続いた。時折、講堂のあちこちからむせび泣く声も聞こえてきた。金校長の講演内容は「陸士校長の手紙」という題名でネット上に広まった。
だが、それだけでは足りなかった。大韓民国と韓国軍の伝統性に対する自負心がなければならなかったからだ。陸軍士官学校生はもちろん、軍の将兵全員を教え直さなければならなかった。金校長は決心した。「まともな現代史の教科書を作ろう」。そして当時の曺永吉(チョ・ヨンギル)国防部長官にこれを報告した。「予算が1億ウォン(約1050万円)必要です」。すると曺長官が答えた。「それほど重要なことなのに1億ウォンで足りますか。2億ウォン(約2100万円)の予算を組みましょう」
兪碩在(ユ・ソクジェ)記者
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