Print this Post Article Lists Back

知的障害を持つゴルファー、プロの舞台に

ソ・イナムさん、トマト貯蓄銀行オープンに出場

 「ゴルフボール一つ一つに希望を込めて打っています」

 知的障害を持ち、ひきつけにも苦しんでいる孤児の青年が体と心の苦痛を乗り越え、見事にアマチュアゴルファーへと成長し、韓国男子プロゴルフ(KPGA)ツアーに出場することになった。その青年とは、木浦大仏大学ゴルフ経営学科に在学しているソ・イナムさん(21)。

 ソさんは24日から27日まで、済州島セイントフォー・ゴルフ場で開催の男子プロゴルフ大会トマト貯蓄銀行オープンに参加。高校時代、アマチュア大会に出場した経験はあるが、プロの大会は初めてだ。大会のスポンサーであるトマト貯蓄銀行(申鉉圭〈シン・ヒョンギュ〉会長)の計らいで、国家代表選手二人と一緒にアマチュアとして4ラウンドすべてに出場することになった。

 ソさんは1歳の誕生日を迎えたころ西帰浦地域に捨てられ、済州ホンイク保育院で育った。ソさんは自分の名前すら知らない孤児だった。「ソ・イナム」という名前は「西帰浦で拾われた二人目の男の子」という意味で、保育院がつけてくれたものだという。

 そんなソさんが初めてゴルフクラブを握ったのは、小学6年生のとき。ゴルフに入門することができたのは、ちびっ子ゴルファーの育成に力を注いできたペク・ソンギ牧師(53)のおかげ。ペク牧師は済州島がゴルフをするのに最適な条件を整えているところに目をつけ、済州市内のホンイク保育院でゴルフ団を結成、ソさんもそのメンバーに加わった。

ペク・ソンギ牧師
 ソさんの体はゴルフをするのにさまざまな問題があった。2歳のときに負ったやけどで右足首がうまく曲がらず、足の指も内側に丸まっている。また、幼いころからひきつけに苦しんでいる。最近も試合中に発作を起こすことがあり、プロテストを受けることすら難しい状況だ。しかしソさんはゴルフに希望を見いだすようになった。ソさんは優れたゴルフの才能を持っていたからだ。その上、よく曲がらなかった足首も、ゴルフを始めてから少しずつ動くようになってきた。ソさんの隠れた才能を発見したペク牧師は、ソさんをゴルファーに育ててみようと決心した。

 ソさんは高校時代、忠清北道玉川にあるヨンシル愛育院に移り、「ハレルヤ・グリーン・ゴルフ団」のメンバーとなって毎日7‐8時間もの練習をこなしてきた。全国アマチュア大会に出場し、「74打」という自身のベストスコアを打ち立てもした。

 自分一人の力で生活することが難しいソさんは現在、ソウル市麻浦区合井洞でペク牧師と一緒に暮らしている。今月22日、セイントフォー・ゴルフ場で会ったソさんは「大会に出場することを思うと、遠足を前にした子どものような気分になる。幸せで胸がいっぱい」と話した。今大会でソさんのキャディーを務めるペク牧師は「ソさんはひきつけさえ治すことができれば、ゴルフ指導者への道を歩むこともできるだろう」と話した。

済州=オ・ジェヨン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
このページのトップに戻る