【社説】中国の「正義」と韓国の国家戦略
中国外務省の報道官は先月29日、ソウルで行われた北京五輪の聖火リレーで中国人が韓国人や外国人、警察官、取材記者らを暴行した事件について、「事態の本質は聖火リレーを妨害するチベット分離主義者の行動を阻止しようとした善良な中国人留学生による正義の行動で、彼らの本意は正しかったが、過激化して引き起こされた」とした上で、「暴力による被害者にお見舞いの意を伝えたい」と述べた。つまり、中国人らの行為は正当なもので、部分的に問題があっただけだという主張だ。
同報道官は韓国、米CNN、英BBCの記者が相次いで「中国政府は韓国国民に謝罪する考えはないのか」と質問したのに対し、「現場にいた中国人は善良な中国人であり、本意は正しかった」と最後まで謝罪を拒否した。その後、中国の外務次官補は韓国の外交通商部に対し、韓国の警察官と記者が負傷したことへの遺憾を表明したが、中国側が今回のデモを「正義」と規定したことを見過ごすことはできない。
ソウルで騒動を起こした中国人は大部分が若い留学生だった。すぐに興奮しやすい年代だ。中国人全体が苦労して誘致した五輪がチベット問題で台無しになるのではないかという焦りを感じた点は理解できる。国際世論から孤立したかのような被害意識が、強い反発感を呼んだのかもしれない。
しかし、どんな理由であれ、人が過ちを犯し、相手側に被害を与えたならば、まず頭を下げるのが常識だ。しかも他国の首都の真ん中で集団暴力に及んだ事件だ。警察官が血まで流した。中国が丁重に謝罪しても体面に傷が付くわけではない。むしろ中国の威信は高まる。
中国人が米ワシントンや日本の東京、英ロンドンで集団で騒動を起こしても、今回のような態度は取れないはずだ。中国の駐韓大使はこのほど、チベット問題に関する質問を受け、「そんなくだらない質問はするな」と反論する想像外の反応を見せた。中国の駐米大使、駐日大使がそんなごう慢な言葉を発するとは思えない。
中国と中国人が韓国と韓国人にこんなふうに対応するようになった原因について、われわれは省みるべきだ。そして、韓国とその国民はこんな水準の中国と共存する以外にない21世紀の国家戦略を深く考えなければならない。
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