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【記者手帳】一般国民は通商の専門家なのか

 8日午前、外交通商部の通商交渉本部を担当する記者たちの携帯電話にショートメッセージが送られてきた。午後2時から、米国産牛肉に関する緊急記者会見を開くという内容だった。

 記者会見では、前日に国会で行われた米国産牛肉に関する公聴会で、鄭雲天(チョン・ウンチョン)農林水産食品部長官が「米国で牛海綿状脳症(BSE、狂牛病)が発生すれば直ちに輸入を中断する」と述べ、関税と貿易に関する一般協定(GATT)=現・世界貿易機関(WTO)協定=の第20条をその根拠として挙げたことについての質問が相次いだ。

 外交通商部の自由貿易協定(FTA)締結交渉本部代表の李恵民(イ・ヘミン)氏は記者の質問に対し、「国民の健康を害する不測の事態が発生した場合、政府が必要な措置を取り得るのは当然のことだ。これは国際法の基本原則であり権利だ」と述べた。

 国民の健康に危険を及ぼす事態が発生した場合は、いつでも牛肉の輸入を中止することができ、これに対し米国が「協定違反」として異議を申し立てた場合は、WTOを通じて問題の解決を図る、というわけだ。

 その上で李代表は、数回にわたって「(GATTの規定について)通商交渉の担当者はみな知っている。牛肉に関する交渉の担当者も知っていた」と強調した。また、「(GATTは)国際貿易においては憲法のようなものであり、協定を結ぶ際にいちいち明記しなくても、必ず守るべきものだ」とも述べた。

 一方、「全国で1週間以上にわたって騒動が続いているというのに、今頃になってGATTの規定を持ち出すのか」という質問に対し、李代表は「あえて公開の場でお話ししなくてもよかったが、何の根拠もなく狂牛病の危険性が騒がれたため、説明することにした」と釈明した。

 ソウルの中心部では1週間にわたり、米国産牛肉の輸入再開に抗議するろうそくデモが繰り広げられている。また、狂牛病に関するありとあらゆるうわさも広まっている。そうした中で政府は2回にわたって記者会見を開いたが、そこでGATTの規定について説明した人は誰もいなかった。

 そして今頃になって、「基本中の基本も知らないのか」と言わんばかりの態度を取ったため、狂牛病をめぐるうわさに翻弄された国民は面食らうばかりだ。政府がGATTの規定を適用できるかどうかについても論議を呼んでいる。しかし、李代表が言うように、この規定が通商交渉の担当者たちの間では常識だとしても、このことを知っている国民はどれだけいるというのだろうか。

全洙竜(チョン・スヨン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報JNS
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