【社説】韓国でも鳥インフルエンザが土着化するのか
鳥インフルエンザがソウルや釜山でも発生し、今や地域限定ではなく事実上全国化した。現在までに処分された鶏やカモは680万羽以上に達する。まさに鳥インフルエンザが土着化したともいえる状況だ。土着化とはウイルスが突然変異を起こし、その地域の環境に完全に適応したことを意味する。そうなれば、鳥インフルエンザは渡り鳥など外部の感染源を経なくとも、常に発生するようになる。東南アジアがまさにそのような状況にあり、中国も土着化の段階に入りつつあるという。
土着化してしまえば、これまでのように鳥インフルエンザ発生地域周辺の鳥を処分するという対策だけでは、感染を完全に防ぐことはできない。香港は1997年に鳥インフルエンザがヒトに感染し、18人の患者のうち6人が死亡した。そのため150万羽の鶏をすべて処分するしかなかった。韓国では1000戸以上の農家が950万羽のカモと1億2000万羽の鶏を飼育している状況だ。
鳥インフルエンザの発生が確認されたソウル市松坡区では、再開発地域に住む住民が立ち退き補償の額を吊り上げるために、鶏やカモを8200匹も育てていたが、ソウル市と松坡区はこれを把握していなかったという。また、韓国で唯一鳥インフルエンザの感染を確認できる国立獣医科学検疫院には、先月末までの時点で専門の検査官が一人しかいなかった。これらの事例を見ただけでも、政府による対策のレベルをうかがうには十分だろう。
このままでは鳥インフルエンザウイルスが鶏やカモだけでなく、街中のハトやスズメなど野生の鳥類にまで広まる可能性がある。そうなればすべての国民が鳥インフルエンザのすぐ近くで、人体への感染を心配しながら生活するしかない状況が現実のものとなるのだ。
まずは全国のカモに対する全数検査が必要だ。鶏とは異なり、カモはウイルスの潜伏期間が長い。そのため鳥インフルエンザがどの程度まで広まっているのかを把握するためには、広範囲にわたる調査が必要だ。感染地域がどこまで広まっているのかを正確に把握できなければ、いかなる対策を立てたとしても大きな効果は得られないだろう。
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