売春被害女性の夢を育む場所、「W‐ing」
ソウル永登浦区新吉洞の裏通りにある小さな2階建ての建物。今年3月、この建物の入り口におしゃれなコーヒーショップができた。
「新吉洞のあの店」という看板を付けたこの店のオーナーは、社会福祉法人「W‐ing」の代表として12年間にわたり、売春被害女性の自活を援助している社会福祉士のチェ・ジョンウンさん(42)。チェさんは「この店は少し特別な場所」と誇らしげに話す。「コーヒーを飲むことができるだけではありません。元売春婦の女性たちと一緒に文章を書く勉強をしたり、哲学や人文学の講師を招いて講義を聞いたり、手作りの工芸作品も展示したりしています」
1階にコーヒーショップがあるこの建物には「W‐ing」の事務所、木工所、映像メディアセンターが入っている。「全国に政府支援で運営されている売春被害女性の自活センターは41カ所あります。でも、一定期間そのセンターで休息を取り、(ありふれた)職業訓練を受けた後自立するというシステムになっているため、特別な成果はないのではないかと思いました。だからやり方を変えてみたんです」
最初に始めたのは「文章を書く」こと。心の治療が最も大切な作業だと判断したからだ。実際、売春被害女性たちは自分の自叙伝を短編小説やシナリオにし、2005年冬、『わたしの人生の小さな手帳』というタイトルの本を発刊した。
次は映画の制作に挑戦した。「彼女たちがカメラの前で自分の過去を洗いざらい語る姿には驚きました。その後カメラを握り、世の中の風景をその中に収め始めたのです」。毎年9月に開催される「女性人権映像フェスティバル」はそんな女性たちが作った映像を一般に公開する場だ。1日だけのことだが、客席には300人以上の観客が集まる。今年で4回目を迎える。昨年11月にはフィリピンの女性メディア文化運動団体「ISIS」と一緒に「グローバル女性人権映像フェスティバル」を開催し、大好評を博した。
このコーヒーショップを含め、「W‐ing」のすべての事業をリードする主役も元売春婦たちだ。1カ月に100時間働いて、政府から受け取る活動手当ては46万ウォン(4万6000円)にしからないが、それでも楽しいという。「誰に強いられたわけでもなく、自分が好きでやっている仕事ですから。昔はただ食べるために生きていたけれど、今では荒涼としていたわたしの人生に花を咲かせるために生きているという感じです」
彼女たちの夢は「W‐ing」を民間企業に成長させること。「いつまでも政府の支援に頼っているわけにはいきません。汗を流して収入を得て、競争力を育てる方法を学びたい。実際、映像メディアセンターのメンバーたちは、今ではそれなりの専門家になり、青少年保護センターなどで映像教育を行っているほか、自治体から広報映像の受注を受けて収入を得ています」
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