【社説】韓国産牛肉も騒動に巻き込むのか
KBSの番組『時事企画サム』が今月14日、韓国国内のヤミ市場で「座り込んだ牛」が売買され、と畜場へ送られているという内容を放送した。また、業者がインタビューに対し「と畜された後、食用に回される」と答えている場面も紹介し、その上で、「韓国でも2004年までは、肉骨粉を飼料として輸入していたが、それがどこに使われたのかは確認できていない」とも指摘した。肉骨粉は狂牛病(牛海綿状脳症、BSE)の原因とされている。この番組の制作陣は放送の趣旨について、「“韓国産の牛肉は安全だ”と自信を持って語ることはできないのが現実だ」と説明している。
この番組が扱った内容そのものは事実だろう。牛肉だけでなく、韓国の食品衛生に関する管理基準に問題が多いということは誰もが知っている。韓国は国際獣疫事務局(OIE)に対し、狂牛病に関するランク付けの申請をしていないため、危険度がどの程度なのかについての分類も行われていない。
だが、このような番組を放送すれば、すぐに「韓国の牛も狂牛病に感染しているかもしれない」という疑念が広がりかねない。米国産牛肉の輸入再開をめぐって、国民を不安に陥れた最も代表的なものが、座り込んだまま立てなくなった米国の牛の様子を紹介したテレビの画面だった。この牛は結局、狂牛病ではなかった。今回放送された韓国の「座り込んだ牛」も、これと同じ症状を見せているとすれば、やはり狂牛病である可能性は無視してもいいだろう。
食の安全をめぐる問題はデリケートな問題であり、どんなに小さなトラブルであっても、関連商品の売り上げの大幅な減少につながる。すでに牛肉を扱う店の客は大幅に減っているという。テレビ局が食の安全に関する場面をセンセーショナルに取り上げれば、その影響力はとてつもなく強いものになる。国民は「韓国産の牛肉も危険だと言うのなら、一体どうしろと言うのか」という気持ちにならざるを得ない。テレビ局は自分たちが与える影響力について考え、それが合理的なのかどうか熟考すべきだろう。
今年に入ってから、全世界の67億人の人々の中で、狂牛病が人間に感染したものと推測されている変異型CJD (クロイツフェルト・ヤコブ病)にかかった人は一人もいない。昨年もイギリス人が一人かかっただけだ。危険な事柄に対してはきちんとした備えをしていかねばならないが、それもあまり度を超えたものになれば、災いになりかねない。
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