北への食糧支援、韓国政府は原則を変えたのか
韓国政府4日に発表した、北朝鮮へのトウモロコシ5万トンの支援方針は、手詰まり状態にある南北関係の突破口を切り開くための苦肉の策と考えられる。北朝鮮からの要請が来る前に、韓国側から先に支援を表明したもので、当初「北朝鮮の要請があれば支援を行う」とする、政府が自ら定めていた原則を自ら破棄したものとも解釈できる。しかし北朝鮮はこれまでと同様、何らの返答を行わない可能性が高く、「このままでは原則を押し通すという名分と、南北関係の打開という実益をどちらも得られなくなる可能性がある」との指摘がなされている。
北朝鮮への食糧支援に関する政府の対応の変化は、米国が先月北朝鮮に対して食糧を支援する計画を発表した時点で感知されていた。北朝鮮による「通米封南」(米国と通じて韓国を封鎖する)戦略の効果が表面化しかねないと考えた韓国政府は、「北朝鮮の食糧事情が深刻だと判断すれば、要請がなくても支援する用意がある」と立場を変えたが、今回はさらに「トウモロコシを与える」とまで口にし始めたのだ。統一部の金夏中(キム・ハジュン)長官は会見で、「原則を曲げたのか」との指摘に対し、「前政権が北朝鮮からの要請に応えて合意していたが、その実行が遅れていたものだ。(今の政府の)原則が崩れたわけではない」と説明した。前政権による北朝鮮政策を根本から変更した現在の政府が、「トウモロコシ支援についての合意」だけは受け継ぐということだが、このような説明では説得力に欠けるとの指摘が相次いでいる。
問題は、北朝鮮が韓国側の提案を受け入れる可能性はほぼないという点だ。北朝鮮は早ければ今月中に、米国からの第1回目の食糧支援を受け入れることになっており、韓国からの支援を切実に必要としているという状況ではない。韓国政府は北朝鮮が受け入れないのなら国際機関を通じて支援を行うとしているが、このような間接的な支援には南北対話が伴っておらず、関係改善には何の役にも立たないという点に政府のジレンマがある。
任敏赫(イム・ミンヒョク)記者
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