Print this Post Article Lists Back

拉致被害者の生死すら確認していない韓国政府

33年前北朝鮮に拉致された漁師ユン・ジョンスさん脱北

 「道を歩いていると、よく電柱に迷子の子犬を探すポスターが貼ってあります。謝礼金と共に、子犬の写真がありますよね。家出した子犬も、たいてい2、3日で見つかるでしょう。けれど、数十年間生死が分からない拉致被害者は、家族がやっとのことで写真を見つけて来ても、政府は生死の確認すらしてくれません。拉致被害者は子犬より劣るのですか」

 8日午前、拉致被害者家族会(崔成竜〈チェ・ソンヨン〉代表)と先月北朝鮮を脱出した拉致被害者の漁師ユン・ジョンスさん(66)の家族は、ソウル市中区貞洞のセシル・レストランで記者会見を開き、ユンさんの妻シン・スヒさん(67)と娘ジヒョンさん(25)が無事に韓国に帰還できるよう努力して欲しい、と政府に要求した。

 ユンさんは先月7日に北朝鮮を脱出、現在は中国・瀋陽の韓国領事館に滞在しているが、ユンさんの妻と娘は北朝鮮当局に逮捕されたことが分かっている。

 家族会の崔代表は先月、北朝鮮に拉致された漁師31人が北朝鮮で撮った集合写真を公開した。代表は「これまでに公開した2枚の団体写真だけを見ても、拉致された漁師は60人余りに上るが、政府は彼らの生死すら確認していない。即座に送還することが難しければ、生死の確認だけでもすべきではないか」と語った。

 ユンさんの兄ジュスンさん(73)は、「死んだとばかり思っていたが、弟が生きていたと聞いて、嬉しさは尽きない。まだ脱出できていない弟の妻子が無事に韓国に帰って来られるよう、政府には努力して欲しい」と語った。ユンさんの弟ジュオクさん(61)も、「兄は33年間、韓国の家族に対する懐かしさから、南の空ばかり見て涙を流す日々を送った。これまで30年余りの歳月を、家族に対する思いを胸に生きてきた兄が、再び妻子と別れ、北の空ばかり見て涙で一生を終えることがないよう、政府は必ず(二人を)助け出して欲しい」と訴えた。

 また、昨年1月に韓国に帰還した漁船「チョンワン号」の事務長チェ・ウクイルさん(68)は、「ガンやツバメも自分の故郷に飛んでいくのに、どうして拉致被害者だけは、自分の故郷を懐かしむばかりで帰ることができないのか。かつて2000年9月に、非転向長期囚63人が北朝鮮に送還されたのを見て、拉致被害者と韓国軍捕虜も故郷に帰ることができると期待したが、空しい夢に過ぎなかった」と語った。チェ・ウクイルさんは、ユン・ジョンスさんの生存情報と北朝鮮での所在を拉致被害者家族会に知らせ、ユンさんの家族がユンさんを救出するのに決定的な役割を果たした人物だ。

 家族会の崔成竜代表は、「今月11日から中国・北京で開かれる日朝交渉で、北朝鮮は日本に対し、既に死亡した日本人拉致被害者の遺骨まで送還する可能性が高い。拉致被害者と韓国軍捕虜の問題を国政の最優先課題にする、という約束を李明博(イ・ミョンバク)大統領がきちんと守ることを望む」と語り、さらに「牛肉問題も重要だが、拉致被害者とその家族のためにただ1日、1時間だけでも割いて、被害者の無事帰還を祈願しキャンドルを灯して欲しい」と訴えた。

安埈豪(アン・ジュノ)記者

チョソン・ドットコム/朝鮮日報日本語版

このページのトップに戻る