北のスカッド・ミサイルから韓国を守るには(下)
◆迎撃手段を持たない「世宗大王艦」
パトリオットミサイルとともに、北朝鮮の弾道ミサイルを撃墜できるのがイージス艦だ。昨年進水した韓国海軍初のイージス艦「世宗大王艦」は、1054キロ離れた地点から飛来する弾道ミサイルを探知し追跡することができる。パトリオットミサイルが導入されていない状況にあって、世宗大王艦は韓国が弾道ミサイルの攻撃から国を守る唯一のシステムであるといえる。
だが問題は、世宗大王艦には現在のところ、実際に弾道ミサイルを撃墜できる手段がないということだ。世宗大王艦は艦対空ミサイルの代名詞である「スタンダードミサイルSM-2ERブロックIII B」を搭載している。だが、これは主に航空機や巡航ミサイルを撃墜するためのもので、弾道ミサイルを撃墜する能力はほとんど備わっていない。
世宗大王艦のイージス・システムは、ソフトウェアを少し補強すれば、米国と日本が共同で開発している迎撃ミサイル「スタンダードミサイルSM-3」を搭載できる。SM-3は射程距離が500キロ以上で、また160キロ上空の弾道ミサイルを撃墜できる。世宗大王艦にSM-3を搭載し、地上にPAC-3型のパトリオットミサイルを配備すれば、韓国軍は日本と同レベルのミサイル防衛(MD)体系を備えることになる。
だが、SM-3が実際に導入される可能性は非常に低い。米国と日本が莫大な費用を投じて共同開発したミサイルを、第3国に売る可能性が低いことに加え、米国のMD体制への参加をめぐる論議が起こりかねないため、韓国政府や軍が今一つ積極的ではないからだ。
そこで、SM-3の代わりに世宗大王艦に導入される迎撃ミサイルが「SM-6」だ。SM-6はSM-3よりもはるかに低い高度でミサイルの撃墜が可能なミサイルだ。最大射程距離は320‐400キロに達し、迎撃できる高度は約30キロまでとなっている。SM-3が約160キロまで迎撃できるのに比べると、その高度ははるかに低い。SM-6は現在、まだ米国で開発中であるため、海軍は2012年ごろまでに約110発を導入し、世宗大王艦に配備する計画を立てているという。
軍当局は、米国のMD体制とは別に、イージス艦のSM-6と地上のパトリオットミサイル(PAC-2、PAC-3)、弾道弾向けの警戒監視レーダーなどを配備することにより、10年代半ばを目標に、韓国型ミサイル防衛(KAMD)体制を構築する計画を打ち出した。
だが、米国は韓国が、米国のMD体制に参加することを強く望んでおり、論議を呼ぶことになるとみられる。
ユ・ヨンウォン記者
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