Print this Post Article Lists Back

韓国女性射殺:4.8キロの移動にわずか30分?(下)

 フェンスを通り過ぎたパクさんは、海水浴場の北側にあるキーセン岩の地点まで1.2キロほどさらに進入してきた、と北朝鮮側は主張している。午前5時を少し過ぎたころ、突然パクさんの前方にある軍の監視所から「止まれ」という命令が聞こえ、続いて銃声が鳴り響いた。北朝鮮兵が威嚇射撃を行ったのだ。パクさんは命令に従わず、反対方向に向かって走り始めた、と北朝鮮側は主張する。その後パクさんの背後から銃撃が浴びせられ、その中の2発が背中と尻を貫通したことからパクさんは砂浜に倒れ込んだようだ。

 パクさんの遺体が発見された場所は海水浴場から200メートルほど離れた場所だ。およそ1キロも走って海水浴場を目前にした場所で死亡したことになる。北朝鮮兵は逃亡するパクさんを追跡し、照準を合わせて銃撃を行った可能性が高いというのが専門家の分析だ。現代峨山の関係者も「距離を考えると、監視場所から銃撃を行ったのではなく、逃走するパクさんを追跡しながら照準を合わせて銃撃を行ったようだ」と語った。

 しかし北朝鮮が説明した事件発生時間である午前5時ごろが正確かどうかは分からない。パクさんがホテルを出た時刻が4時30分で、北朝鮮が主張する事件発生時刻は5時。わずか30分でパクさんが3.8キロも歩き、再び1キロも走って戻ってきたとすれば、女性の足としてはあまりにも早過ぎる。ソウル大学体育教育学科の金善進(キム・ソンジン)教授は「時速8キロなら一般人が運動前のウォームアップのために軽くジョギングを行う速度。早朝に目覚めたばかりの50代女性が、このスピードで砂浜を通過したとは考えられない」と述べた。

 北朝鮮はこの日午前9時20分ごろ、金剛山観光事業の北朝鮮側運営主体である名勝地総合開発指導局所属の職員二人を現代峨山の金剛山事業所に派遣し、パクさんが死亡した事実を伝えた。事件発生から4時間20分後のことだった。

 現代峨山の現地職員5人と韓国で観光客向けに運営されている金剛山病院所属の医師一人、そして看護士一人の計7人が午前9時40分に救急車で現場に向かった。現代峨山事務所から事故が発生した現場まではおよそ25キロ。一行は午前10時ごろ現場に到着した。

 現場の写真を撮影して遺体を運ぶのにかかった時間は40分から50分。午前11時20分ごろに現代峨山金剛山事業所に戻った一行は、直ちに電話でソウル本社に緊急の連絡を入れた。パクさんの遺体はこの日午後1時に韓国に運ばれて束草病院に一旦安置され、その後再び国立科学捜査研究所へと移送された。

崔有植(チェ・ユシク)記者

李性勲(イ・ソンフン)記者

【ニュース特集】金剛山で韓国人観光客射殺

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
関連記事 記事リスト

このページのトップに戻る