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【社説】銃撃事件当日、北に対話呼びかけた李大統領

 金剛山特区内で韓国人観光客が北朝鮮軍による銃撃で死亡した日、李明博(イ・ミョンバク)大統領は国会演説を通じ、「6・15共同宣言(2000年の南北共同宣言)、10.4首脳宣言(07年の南北共同宣言)をどのように履行していくかについて、北朝鮮と真剣に協議する用意がある」と表明した。

 大統領府(青瓦台)は「南北関係の大きな方向を川の流れだとすると、途中で突発的な事態も生じ得る。二つの事案を関連づけるのは適切ではない」と述べた。確かにこの発言のように対北朝鮮政策の基調が事件事故によって揺らぐのは好ましくない。しかし、すべての事柄は時と場所を選ばなければならない。

 韓国人観光客が常に数百人、数千人いる場所で北朝鮮軍が銃を撃ち、国民が命を失ったとしたら、大統領と政府は事件を最大懸案として扱うのが当然だ。それこそ正常な国家の常識であり、大統領行動規範のイロハであり、大統領を補佐する人たちの基本でもある。李明博政権はその常識、イロハ、基本を知らずにいる。

 大統領府は大統領の施政演説直前まで、銃撃による死亡か病死かで情報が混乱しており、既に演説文を配布していた状況で、対北朝鮮政策の部分だけ読み飛ばせば、別の問題が生じる可能性があったと説明した。それなりの事情がなかったわけではないが、大統領府の総合的な判断能力に深刻な欠陥があったと言わざるを得ない。

 事件はまだ真相が究明されていない。北朝鮮にどんな意図があるのかも分からない。事件によって国民が衝撃と戸惑いを覚えるのは明らか。こんな状況で大統領は対北朝鮮対話に関する提言を先延ばしすべきだった。他の機会はいくらでもある。大統領がまず判断すべきだった。大統領はそれができなかった。それならば大統領の補佐役が事の順序を大統領に進言しなければならなかった。しかし、そんな機能も働かなかった。

 現代峨山は観光客が銃撃を受けた事実を北朝鮮から午前9時20分に知らされたが、統一部に報告したのは同11時半だったという。緊急事案を大統領府に報告し、大統領に伝わるまで2時間以上かかった。企業が商売に血眼になる余り何も目に入らず、政府も事態の判断能力自体が停止状態だったと言っても過言ではなかろう。

 李大統領が国会で演説を行う間、統一部は金剛山観光の一時中断を協議していた。大統領が北朝鮮に対する対話提案を行った直後に政府は金剛山観光の中断を決定した。こんなあべこべなことがあるだろうか。一日の間に大統領は北朝鮮に手を差し伸べ、政府はその手を引っ込めた。大韓民国とその大統領がこんなふうではいけない。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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