後を絶たない韓国人の「機内暴力」(上)
乗客同士、あるいは乗務員相手の「機内暴力」
国内線・中国・東南アジア便で多発
毎年増加、外国に比べ処罰が緩いのも一因
高圧的な姿勢で乗客をさばく一部の乗務員も問題
先月17日午後7時35分ごろ、乗客140人を乗せたアシアナ航空OZ739便は、仁川国際空港を飛び立ちカンボジア・プノンペンに向かおうとしていた。しかし離陸準備中、機内で映画や運航情報を提供するモニターシステムが故障していたことが分かった。
アシアナ航空はこれを修理しようとしたが、うまくいかず、結局機体を変えて運航することにした。乗客に了解を求め、降りてもらおうとしたが、一部の乗客が乗務員や機長らに「これはどういうことだ」と罵声(ばせい)を交えて不平を言った。これに対し、機長が腹を立て「この乗客が謝罪しなければ、操縦かんを握らない」と言い出したことで、事件が大きくなった。
規定上、機長は安全運航を脅かす乗客を降ろすことができる権限があるが、今回のような場合はあいまいだ。悪口を言ったという理由で搭乗拒否をすることができるか、という点については、反論が可能な状況だった。乗客と機長の口論は収まる気配を見せず、アシアナ航空側は機長を交代させ、抗議する乗客6人を空港に残したまま、当初の予定より3時間余り遅れた夜10時50分ごろ、飛行機を再び送り出した。本来は夜9時5分ごろ再出発させようとしていたが、この騒ぎのせいで1時間45分も余計に遅れ、航空会社に抗議していないほかの乗客134人に害を及ぼしたわけだ。
今年に入り、仁川国際空港で航空機の出発遅延やサービス上の不平などを理由に乗客が立てこもる事例は、6月までで21件に達している。昨年1年間で同様の事例は18件発生したが、既にこれを上回っている。空港公社側は、「気象の悪化で急に出発時間を延期したケースが多い」と説明した。
米国など航空先進国では、気象の悪化や航空機の整備などの理由で遅れて出発することになっても、乗客らが抗議することはない。2006年2月、ニューヨークなど米国東北部は大雪に襲われ、3日間に渡り航空機が足止めされた。この時、乗客たちは空港にとどまって食事をし、眠り、運航再開を待ったが、航空会社を非難することはなかった。また、こうした場合には、航空安全当局も航空会社に責任を負わせることはない。「安全」を優先し、事実をよくわきまえ、待つべきこともよく分かっている、というわけだ。
先月11日には、仁川国際空港を飛び立ちタイ・プーケットに向かっていたスカイスター航空の機内で、20代の男性二人が「座席の背もたれをあまり倒さないでほしい」「何か問題でもあるのか」と口論を始めた。二人がつかみ合いまで起こしたことで騒ぎが大きくなり、近くにいたある女性の乗客が呼吸困難の症状を起こし、結局この航空機は仁川空港に引き返した。
夏休みシーズンを迎え、航空会社はこうした行動の急増に神経をとがらせている。特に、米国・イギリスなど欧米行きの便よりは、国内線や中国・東南アジア行きの便に集中している。先進国の航空会社よりは、「井の中のかわず」よろしく韓国の航空会社の便などに集中しているのが特徴だ。航空会社の社員らは、「いわゆる先進国に行くときは静かな乗客も、“わが家”だと思う場所では荒っぽくなる」と語った。
李衛裁(イ・ウィジェ)記者
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