【萬物相】井の中の五輪中継
「サッカーの準決勝戦はなぜ中継しないのですか。決勝戦も中継する予定はないのですか」「他国の一流選手のプレーについては、韓国の国民は井の中の蛙だから関心がないということですか」「銀メダルだと表彰式も中継しないのですか。突然中継が途切れるのはどういうことですか」「セーリングなど非人気種目で頑張る韓国選手の競技も見せてください」「金メダル獲得競争の中継に転落した放送局のレベルは残念です」。ここ数日にかけて、各放送局のホームページは北京五輪中継のやり方を非難する書き込みであふれている。
視聴者が不満をもらしているように、どの放送局もメダル獲得が期待される韓国チームの試合ばかりを中継しているからだ。視聴者の希望は、自分たちも米国のバスケットボール、ブラジルのサッカー、男子テニス、女子飛び込みなど話題の試合を見られるようにしてほしいということだ。こうした視聴者の怒りは18日夜になって最高潮に達した。ロシアのエレーナ・イシンバエワ選手が自ら24回目の世界新記録を更新して金メダルを獲得した瞬間を見ることができなかったからだ。その時間、地上波の四つのチャンネルはすべて正規の番組を放映していた。
放送3社は先月、「国民の関心が高い主な試合を分担して中継することで合意した」と発表した。しかし実際にテレビを見ると、三つの放送局で同じ試合の同じ場面が登場するケースがあまりにも多かった。放送3社の合意は、実際にはサッカーや野球の予選試合だけに限られていたからだ。また、それも最後まで守られることはなかった。朴泰桓(パク・テファン)が出場する水泳や女子アーチェリー団体戦は3社とも1日に何十回もくり返し放映した一方で、人気のない種目は韓国選手が出場しているのかさえも分からない。他国の選手らの競技はなおさらだ。
1996年のアトランタ五輪までは放送3社が共同でスタッフを派遣し、お互いに協力しながら各競技を別々に中継していたため、視聴者はさまざまな試合を見ることができた。しかし2000年のシドニー大会以降は各社が独自に中継を行い、視聴率と広告収入の面で競争が展開され、中継が一部の種目だけに偏り始めた。競技中継が重複していたのは、シドニー大会では全中継時間の45.8%、04年のアテネ大会では43.5%に達していた。
一方、日本はNHKと民放が放送時間を配分し、重複して中継が行われないようにしている。人気の種目はくじ引きで放送局を決める。われわれも06年のドイツ・ワールドカップ終了後、複数の放送局が同じ試合を中継できないようにする法案が国会に提出されたが、通過しなかった。韓国の放送局は、村長の家からスピーカーで村民に村のお知らせを伝えるようなレベルから今も抜け出せていない。井の中から飛び出して国民の目を世界に向けさせる、世界的な放送局として生まれ変わる日はいつになるのだろうか。
李先敏(イ・ソンミン)論説委員
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