【社説】韓国の消防官たちの悲劇的な宿命(上)
20日にソウル市内のナイトクラブで起きた火災の消火作業を行っていた恩平消防署所属のチョ・ギヒョン消防官、キム・ギュジェ消防官、ピョン・ジェウ消防官の3人が、突然崩壊した建物の下敷きになって死亡した。彼らを含めると、今年に入ってすでに5人の消防官が作業中に殉職したことになる。
消防官として働いていても大金を稼ぐことはできない。また名誉が得られるわけでもない。それでも彼らは火を消すために、またその中に閉じ込められた人たちを救うために命を懸けている。こうして命を落とした消防官の数は、1945年に日本の植民地支配から解放されてからこれまで263人に達しており、また負傷者の数は5000人近くに上っている。火に焼かれ、ガスで窒息し、水に溺れて死んだり負傷した消防官やその家族が直面する心身両面における苦痛は、当事者でなければ想像もできないほどつらいものだ。消防官らを対象にアンケート調査を行ったところ、5人中4人がトラウマに苦しんでいるという。つまり多くの消防官が悲惨な現場で体験した悪夢、助けを求める悲鳴が耳から離れない幻聴、救出できなかったという罪の意識、不安、うつ病、不眠症、攻撃性などに苦しんでいるのだ。
全国746の消防隊の70%は消防官が一人しかいない。今年2月に京畿道高陽市で起こった火災現場にも消防官一人が出動し、消火作業などに追われて結局は命を落とすという事故が発生した。「24時間交代」の上に、一人当たりに割り当てられた待機空間が刑務所の独房より狭いのが消防官の勤務条件だ。消防防災庁によると、韓国の消防官がこのような状況で使命を果たしながら犠牲となり、結果として守られた社会全体の財産は1年で4兆ウォン(約4200億円)近くに達するとの試算が発表された。彼らが救った人命の価値は決して金では計算できないものだ。
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