テコンドー・アテネ「金」の文大成、IOC選手委員に

- 写真=オリンピック共同取材団
「最初はみんな不可能だと言っていたのに、アテネ・オリンピックで見せた後ろ回し蹴りを一発食らわせた感じ」
21日、国際オリンピック委員会(IOC)選手委員に選ばれたアテネ・オリンピック・テコンドー80キロ以上級金メダリスト、東亜大の文大成(ムン・デソン)教授は、「当選の知らせを聞いた瞬間、涙が溢れ出した。それまで、本当に苦労が多かった」と感激の表情を浮かべた。
文大成教授のIOC選手委員当選は、誰も予想していない結果だった。それも、マラソン界のスター選手ポール・テルガト(ケニヤ)、競泳界のスター選手グラント・ハケット(オーストラリア)、女子テニスで元世界ランキング1位のジュスティーヌ・エナン(ベルギー)、「黄色い弾丸」こと劉翔(中国)といった錚々(そうそう)たる顔ぶれを全て退け、29人の候補の中で堂々の1位(有効投票7216票中3220票)を獲得したからだ。中国のメディアは、「本来なら劉翔がアジア・クォーターとしてIOC委員になる予定だったが、棄権した影響で文大成になった」と報じた。なお、劉翔の得票数は1386票で、8位に終わった。
今回の委員選出は、文大成が足で稼いだ結果だった。8カ月前からIOC選手委員への挑戦を準備してきた文大成は、早くも先月28日には中国・青島に到着し、ヨットやカヌーの選手らを相手に広報合戦を繰り広げ、31日には北京に移動、20日余りを残して選挙運動を終えた。黄色いテコンドーの胴着を着て朝早くから夜11時まで選手村を巡り、何事につけても選手らと目を合わせあいさつをした。時には、「あの人は何をする人か」と、不審者扱いを受けたこともあった。IOCから胴着の着用を制止されると、今度は私服に着替えて飛び回った。トレードマークの「蹴り」も、立派な宣伝手段だった。文大成は「蹴りを見たいという選手が多く、何度やったか覚えていないくらい後ろ回し蹴りをやって見せた」と語った。また、全世界188カ国に広がっているテコンドー関係者の支援も大きな助けになった、と感謝の気持ちを表した。
文大成は閉会式の直前に開かれるIOC臨時総会で承認を得た後、IOC委員として本格的な活動を行うことになる。IOC委員は無報酬の名誉職。ただし、各種の会議など公式業務に従事する場合には、IOCから航空料、滞在費、そして日当が支払われる。
文大成は「アフリカのように困難に直面している国家にテコンドーを広めたい。アジアの選手の権益も代弁するつもりだ」と抱負を語った。また、オリンピックの種目からテコンドーを外す、という議論については、「テコンドーを外すと言う人がいれば、わたしが話し合うから連れて来てほしい。テコンドーはほかのどのスポーツよりも公正で、面白い」と自信を見せた。
2000年のシドニー・オリンピックのときに新設されたIOC選手委員は、オリンピックの参加選手が、現役ないし引退選手の中からIOC委員を選ぶ制度だ。任期8年の選手委員に選出されるとIOC選手分科委員会に所属することになり、冬季・夏季オリンピック開催地の投票権など、あらゆる権限は一般のIOC委員と全く変わらない。
北京=チェ・ヒョンソク記者
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