【社説】韓国新マークしても予選落ちの韓国陸上
19日、北京五輪男子110メートルハードルの2次予選で、李政俊(イ・ジョンジュン)選手が13秒55で韓国新記録をマークしたものの、予選落ちした。韓国新を塗り替えながらも、ベスト16にさえ進出することができなかったのだ。陸上のトラック競技に出場した唯一の韓国人選手がこうした状況だ。1988年のソウル五輪以降、陸上のトラック競技で20年ぶりに2次予選にまで進出したものの、世界の壁ははるかに高かった。まだ男子マラソンと50キロ競歩が残っているが、幅跳びややり投げなどそのほかの9種目に出場した12人も、ほとんどが1次予選で脱落してしまった。
悲しいかなこれが韓国陸上の現実だ。男子100メートルの世界記録が9秒69にまで伸びている一方で、韓国記録は1979年にソ・マルグがマークした10秒34にとどまっており、実に29年間にわたって破られていない。このように10年以上にわたって破られていない韓国記録は21個にもなる。
李政俊は「常に一人だった。周囲の助けなどは一切期待していない」と話している。昨年6カ月間にわたって中国に滞在し、中国きっての陸上スター、劉翔のトレーニングする様子を遠くから見つめ、見よう見真似で盗み取るほかなかった。韓国には優秀な陸上選手を指導するシステムがないためだ。
米国や欧州、日本では、ほぼ週末ごとに陸上大会が開催されている。一方韓国では陸上シーズンでも1、2カ月に1回開かれればいい方だ。幼い陸上選手たちが出場する競技場には、子どもを応援するためにやってきた観客よりも、むしろサッカーや野球など人気スポーツの監督・コーチの方が多い。優れた選手を自分のチームにスカウトしていくためだ。これを防ぐため、陸上大会の主催者側は「スカウトを慎んでほしい」という放送まで行っている。
2011年に大邱で世界陸上選手権大会が開かれる。五輪、ワールドカップ(W杯)の次に大きな国際スポーツ・イベントだ。しかし、このままでは大邱大会は、外国人選手だけが活躍し、韓国人選手は早々に予選落ちして見学を余儀なくされる可能性が高い。陸上連盟は少なくとも10種目で決勝にまで進出させるとの考えだが、現実的には到底無理な目標と言わざるを得ない。
陸上はすべてのスポーツの基本だ。北京五輪全体の金メダル302個のうち、陸上種目が実に47個を占めているのを見ても明らかだ。陸上は金にならず、ビジョンのないスポーツといった認識から脱するべきだ。政府やスポーツ界は、国民が陸上競技をサッカーや野球のように楽しむことができる土台を準備し、優れた陸上選手を大学に特別入学させるなど、政策的支援を検討していくべきだろう。陸上が活気を失えば、本当のスポーツ大国になることは難しい。
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