巨大投資銀行買収に動く韓国銀行業界(中)
そんな背景から、リーマン・ブラザーズは6月から韓国への株式売却を打診し始めた。メリルリンチに20億ドル(約2170億円)の投資をした韓国投資公社(KIC)をリーマンの役員数人が非公式に訪れた。KIC側は投資の是非を検討したが、投資魅力がないと判断した。KIC幹部はその理由について、「リーマン側が追加的な損失の有無など投資決定に重要な質問に明確な回答を示せなかった」と話した。
リーマン・ブラザーズは期待していたKICに「ノー」を突きつけられると、同じ時期に産業銀にも接触した。産業銀の閔裕聖(ミン・ユソン)銀行長は積極的な動きを見せた。閔銀行長は昨年6月の就任直前まで3年間、リーマン・ブラザーズのソウル支店代表を務め、同社の内部事情を誰よりも知っている。
また、ウォール街で韓国人としては最高ポストにいるリーマン・ブラザーズ本社のチョ・ゴンホ副社長も韓国銀行業界との接触に一定の役割を果たした、と金融業界はみている。
産業銀は国内の複数の銀行と共同で買収を推進する方向で交渉を進めた。交渉に臨んだ業界関係者は「7兆-8兆ウォン(約7240億-8280億円)で世界的な金融機関を買収すれば、韓国の金融産業が国際化する重要な契機になると判断した」と話した。経営権を取得しても実際の経営は現在の米国人に委ねる案まで準備した。
◆リーマンの財務状況、予想より深刻
今月初めにリーマン・ブラザーズの本社がある米ニューヨークで具体的な交渉が行われた。外電によると、交渉で示された価格はリーマン・ブラザーズの簿価価値を50%上回る水準だったという。しかし、土壇場で交渉は決裂した。リーマン・ブラザーズ側が示した高値も負担だったが、産業銀が自ら交渉から手を引いたのだ。
韓国政府高官は「帳簿を調べたところ、(リーマンの)損失は予想より深刻だった。損失が生じると追加的に資金を注ぎ込まねばならず、政府(産業銀行)が買収に臨むにはリスクが大きすぎると判断した」と述べた。
全洙竜( チョン・スヨン)記者
チョン・チョルファン記者
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