Print this Post Article Lists Back

【コラム】ヒル国務次官補の危機(下)

 ボスニア和平合意に導いたリチャード・ホルブルック元国連大使の下で交渉術を学んだヒル次官補は北朝鮮との交渉で実力を発揮した。6カ国協議の米国側首席代表に就任して以降は、米強硬派の反対にもかかわらず、北朝鮮との二国間会談で非核化計画を明記した昨年2月の6カ国合意を引き出した。今年初めに北朝鮮の核開発プログラム申告問題が難関に直面した際にも数回にわたる水面下の交渉で寧辺の核施設プログラムと核拡散、濃縮ウラン問題を切り離すことでその場を乗り切った。「ヒル次官補が問題の本質を解決せずに北朝鮮に振り回されている」という批判に根拠がないわけではない。しかし、彼の成果を完全に無視することもできないのが現実だ。

 そんなヒル次官補が最近直面している問題は以前に彼が解決してきたものよりはるかに困難で複雑だ。今月11日に予定されていた米国の北朝鮮に対するテロ支援国指定解除措置は核検証体制で合意に至らず無期延期された。北朝鮮が韓半島(朝鮮半島)の非核化を名分に駐韓米軍の核保有についても検証を求める逆提案を行って以来、ヒル次官補の苦悩は深まるばかりだ。

 特に民主、共和両党の全国党大会開催で米国社会全体が本格的に大統領選挙の時期に差し掛かり、ブッシュ政権の対北朝鮮交渉に本腰を入れなくなっている上、さらに大きな問題がある。一部ではヒル次官補の辞任説もささやかれている。北朝鮮も韓半島の状況に明るいバイデン上院議員が民主党の副大統領候補に指名されたことなどを見極めながら、交渉を先送りするムードだ。

 この2週間、韓国政府が北京五輪で韓国代表選手団の凱歌を満喫している間に北朝鮮情勢はヒル次官補の辞任説まで飛び出すほど深刻な局面に差し掛かっている。ヒル次官補の危機は単に米国だけの問題ではなく、韓半島の進路がかかっているという点でただ事ではない。

ワシントン=李河遠(イ・ハウォン)特派員

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

このページのトップに戻る