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【社説】女スパイが北朝鮮に手渡した将校の名刺

 偽装脱北した30代女性スパイが軍部隊の安全保障講演に通い、知り合った将校から軍事機密を入手し、北朝鮮に手渡していたという。この女が14回も中国に渡り、北朝鮮の国家安全保衛部の要員に渡した軍将校の名刺は100枚を超え、将校らの電子メールは中国からハッキングされていた。女性スパイは将校を中国に誘い出せという指令を受け、結婚情報業者を経由して知り合った少領(少佐)を北朝鮮に送ろうとまでした。

 さらに鳥肌が立つことに女性スパイがファン・ジャンヨプ元朝鮮労働党書記の住所やブッシュ米大統領と会った脱北者の居住地を探っていたという事実だ。女性スパイは北朝鮮から持ち込んだ毒針で対北情報要員二人を殺害しようとしたという。金正日(キム・ジョンイル)総書記のおいのイ・ハンヨン氏が韓国に亡命した後、1997年に北朝鮮の工作員の銃によって殺害されたことを思い出す。

 これまで韓国に渡った脱北者は1万3000人を超える。北朝鮮がその気になれば工作員の身分を隠しスパイ活動をさせることは難しくない。今回捕まった女性スパイは3年間に50回も軍部隊の講演に通い、北朝鮮の核兵器は自衛用だという主張を流布していたという。女性スパイと同居していた政訓将校(教育担当将校)は脱北者出身の安保関連の講演者のリストを渡し、スパイだという事実を知りながらも通報しなかった。軍の将校という人物の精神状態はこの程度だというからため息が出る。

 ドイツ統一前に東ドイツの情報機関が西ドイツに潜入させたスパイとそれに積極的に情報を提供した協力者は2万人を超えた。東西ドイツの和解ムードの中でも西ドイツに対するスパイ活動は全く減らなかった。2000年から05年までに韓国の国家情報院が把握した北朝鮮による指令通信は670件ある。その指示を受け実行するスパイがそれだけいるということだ。

 どれだけ多くのスパイとスパイ協力者がいまこの瞬間にこの国をかき回し、情報を収集しているか分からない。にもかかわらず、過去10年間に捕まったスパイは今回の女性スパイを含め二人だけだ。捜査機関はしっかりしなければならない。

【ニュース特集】北の女スパイ・元正花

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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