大韓航空VS韓進重、ガソリンスタンドめぐり兄弟ゲンカ
ソウル・金浦空港近くの大韓航空本社社屋の正面には、広さ1626平方メートルのガソリンスタンドがある。1964年に大韓航空が各運営車両や社員らの給油に便利なようにと作ったものだ。98年からは韓進グループ経営者一族の二男、趙南鎬(チョ・ナムホ)氏が会長を務める韓進重工業が委託を受け運営してきた。
ところが最近、このガソリンスタンドが存続の危機にひんしている。大韓航空は今年7月末、韓進重工業側に「土地を別の用途に使用するため撤去してほしい」と要請した。運営は韓進重工業だが、土地を所有するのは大韓航空だ。よって、大韓航空が「立ち退け」と言えば韓進重工業は出ていくしかない。大韓航空の会長は同グループ経営者一族の長男、趙亮鎬(チョ・ヤンホ)氏だ。
韓進重工業は「最近、兄弟間で訴訟が起きるなど、仲が悪くなったことから急に態度が変わった」と不快感をあらわにした。はじめは30年間の委託運営ということで暫定的に合意していた。ところが、韓進グループ一族の兄弟である二人が3年前から相続や財産分与をめぐり法廷で争うようになって以来、状況が変わった。
大韓航空は「もともと土地の所有者が権利を行使しようとしているに過ぎない」と話す。この土地は大韓航空所有になっているが、ガソリンスタンドの建物は韓進重工業の所有だ。韓進重工業は「あちらがそういう態度に出るなら、こちらは建物をすべて撤去する」と反発。こうなると、当時とは法律が変わっているため、同じ土地にガソリンスタンドを建てることはできない。長年の伝統である大韓航空本社前のガソリンスタンドが姿を消すわけだ。このため、韓進重工業側は「駐車場ぐらいにしか使えないのに、一体何を考えて立ち退きを迫っているのか分からない」といぶかっている。
問題はこれにとどまらない。韓進重工業はこの土地だけでなく、金浦空港内の係留場で作業する車に給油する貯蔵庫も所有している。飛行機が離着陸するのに必要な各支援車両は、滑走路近くにある韓進重工業所有の石油貯蔵庫で給油する。韓進重工業は大韓航空本社前のガソリンスタンドにガソリンを保管しており、必要時にこれを係留場内の貯蔵庫に移していた。
韓進重工業は「大韓航空の考えが変わらないのであれば、係留場内の貯蔵庫も閉鎖する」と反発。こうなると、新たな貯蔵庫を作るまで空港内の給油に深刻な支障を来す。現行の消防法上、火災の危険があるとの理由から、外部車両が自由に出入りし、支援車両に給油することはできない。
両者は散々もめた末、法廷で争う準備に入った。大韓航空は「もともとの建物価格7億ウォン(約6000万円)を補償するから立ち退いてほしい」としているが、韓進重工業は「今後20年間のガソリンスタンド収益金などを含め200億ウォン(約17億円)は受け取らなければ」と主張、真っ向から対立している。
空港関係者らは「兄弟間で仲が悪くなり、こんな小さなガソリンスタンド一つをめぐっても争いが起きるなんて残念。これにより空港の運営にも影響が出るのではと心配」と話している。
李衛裁(イ・ウィジェ)記者
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