▲スポーツ部=キム・スンジェ記者

 国際オリンピック委員会(IOC)が6日、ロシアを平昌冬季五輪から除外することを決定したのを受けて、韓国国内では「五輪の集客に赤信号がともった」との懸念が出ている。平昌は北朝鮮の挑発行為や宿泊費・飲食代のぼったくり料金、お粗末なチケット販売などで傷だらけの状態だ。こうした中、冬季スポーツ大国のロシアが国としては出場できなくなり、「平昌五輪の盛り上がりが半減する」と嘆き声が上がっている。

 五輪開催国としては出場国が多ければ多いほどいいが、国主導のドーピングによりフェア・スポーツ精神を傷付けた国の出場に頼る必要があるのか考えてみるべきだ。2011年末から15年8月までに行われた五輪や世界陸上選手権におけるロシアの組織的ドーピング行為を見れば、平昌五輪での除外措置は当然だ。ロシアは五輪メダルで「強いロシア」というイメージ作りをするため、選手たちに強制的に薬物を注入し、これを拒否した選手には「交通事故に遭いたいのか」と脅迫した。ドーピングの事実を隠ぺいするため情報機関職員が配管工を装って尿サンプルや保管所に潜入、薬物を使用した選手のサンプルをすり替えた。これはマフィアのような犯罪者集団の手法だ。

 ロシア政府がドーピングを主導したという事実は、世界反ドーピング機関(WADA)の報告書とグリゴリー・ロドチェンコフ元ロシアドーピング検査機関所長の暴露で明らかになった。フェア・スポーツ精神を守るため、薬物投与を徹底的に阻止してきた国々をないがしろにする事件だ。世界のスポーツ界の「反則王」になってしまったロシアを、平昌五輪の採算のために出場させるというのも「反則行為」だろう。

 ロシアの不参加で平昌五輪が盛り上がらなくなるという懸念も大げさな考えだ。ロシアが冬季スポーツ大国なのは事実だ。2000年代に開催された冬季五輪の総合成績を見ると、02年ソルトレイクシティ大会5位、06年トリノ大会4位、10年バンクーバー大会11位、そして14年ソチ大会で1位になった。だが、ソチが薬物で汚されていたことを考慮すれば、ロシアは上位10位以内の国の1つに過ぎない。

 平昌五輪は、ロシアの除外により盛り上がりに欠けるのではなく名誉で光り輝く五輪を開くチャンスを得た。スポーツとは取引や妥協をせずにひたすら勝者と敗者のみが存在するものだから、いかなる分野でもフェアであることが重要だ。フェア精神を損なったロシアが何の処罰も受けずに平昌五輪に出場すれば、「どんな手を使ってでも金メダルを取りさえすればいい」事例としてスポーツの黒歴史になるだろう。五輪の正義と権威も致命的な傷を負わざるを得ない。

 ロシアを除くすべての外信報道や選手たちが今回のIOCの決定を歓迎しているのも、こうした理由があるからだ。平昌は今から全世界に向けて「クリーン(clean)オリンピック」がどのようなものであるかを示すため全力を尽くさなければならない。韓国がどれだけフェアに国内で開催される今大会を管理するか、ロシアとはどれだけレベルが違うのかを示すべきだ。近代五輪の創設者クーベルタン男爵は「人生で最も大切なのは勝利することではなく、正々堂々と最善を尽くすことだ」と言った。

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