トヨタはこれまで海外で大半を製造してきた世界モデル「カムリ」のうち年間10万台を日本国内で生産し始めた。米インディアナ州にある富士重工の工場に委託していた生産分を愛知県内の工場に移したものだ。トヨタはまた、カナダで生産していた海外向け高級車「レクサスRX」1万台も2015年秋から福岡県の宮田工場に移した。日産は北米で年10万台生産してきたスポーツ多目的車(SUV)の「ローグ」の生産を九州工場にシフトした。日本経済新聞は最近、「現地生産に力を入れてきた日本企業が本国の工場に回帰し、『メード・イン・ジャパン』に再び弾みが付いている」と分析した。
 
■多彩な業種に広がる回帰現象
 
 日本企業のUターンは伝統的に強みを持つ自動車、電子分野はもちろん、カメラ、化粧品、オーディオなど全方位に拡散している。日本の経済産業省が海外に生産拠点を持つ日本企業834社を対象に実施したアンケート調査で、11.8%が「過去1年間に海外の工場での生産分を日本に移した」と回答した。日本企業の設備投資は海外では減少しているが、日本国内では過去2-3年、増え続けている。

 カメラ大手のキヤノンは10年ぶりに日本に新工場を設けることを決めた。来年8月までに230億円を投資し、1500人を雇用する計画だ。御手洗冨士夫会長は昨年9月、日本での工場建設計画を発表した際、「円安が進み、海外でも日本で生産した方が競争力が生じた。日本国内の雇用を守りたい」と述べた。

 化粧品最大手の資生堂も2020年の操業開始を目標として、大阪に最先端のロボットを導入した基礎化粧品工場を建設する。資生堂が日本に工場を建設するのは37年ぶりだ。400億円を投じ、サッカーコート10面分に相当する7万2000平方メートル規模で建設する。化粧品のコーセーも昨年、60億円を投資し、群馬県にメイクアップ製品の工場を新設。日用品のライオンも日本国内の工場を増設し、歯ブラシの生産量を増やした。小林製薬は中国人観光客に人気がある消炎鎮痛剤、液体絆創膏の生産量を大幅に増やした。

 このほか、パイオニアはナビゲーションの生産ラインをタイから青森県に移し、ダイキンは中国工場での家庭用エアコンの生産を滋賀県の草津工場に移した。JVCケンウッドもオーディオ製品の生産ラインをマレーシアから山形県の鶴岡工場にシフトした。

■復活した「メード・イン・ジャパン」
 
 日本企業が本国に回帰する理由はそれだけ工場を運営しやすい環境になったからだ。安倍晋三首相は輸出競争力を強化するため、円安誘導政策を推進。2012年に30%だった法人税率を今年は23.2%まで引き下げる。06年には地域の均衡が取れた発展を名分としていた「工場再配置促進法」をなくし、首都圏での工場進出規制を全面的に廃止した。財界関係者は「韓国も首都圏規制が企業による投資で最大の障害だが、歴代政権は地元の反発を懸念し、手を付けなかった。日本政府は破格の規制改革を断行した格好だ」と述べた。

 外国企業も日本行きを選択している。中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)は昨年6月、中国企業としては初めて、千葉県船橋市に50億円を投資し、大規模な通信設備工場と研究開発拠点を設けると発表した。中国の自動車メーカー、長城汽車も再来年、日本に電気自動車、自動走行車の研究拠点を設け、中国のスマートフォンメーカー、中興通訊(ZTE)はモノのインターネット(IoT)の研究所を東京に置いた。米国企業では世界3位の半導体メーカー、マイクロン・テクノロジーが昨年5月、広島工場に20億ドル(約2240億円)を投資し、3年以内にDRAMを量産すると発表した。

 ソウル経済研究院のヤン・グムスン上級研究委員は「日本をはじめとする世界各国が企業投資を誘致するため、法人税引き下げと規制緩和などに熱心に取り組んでいるが、韓国は逆行している。韓国の投資環境を企業にやさしいものへと改善しなければ、企業が海外に脱出する製造業の空洞化が加速し、雇用問題がさらに深刻化する」と指摘した。

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